谷原 大逆転で2週連続V!メジャー初優勝で「すっきり」

[ 2016年7月11日 05:30 ]

(左から)日清カップヌードル杯、日本プロゴルフ選手権大会優勝杯、文部科学大臣杯を前に笑顔の谷原秀人

男子ゴルフツアー日本プロ選手権日清カップ最終日

(7月10日 北海道勇払郡安平町 北海道クラシックゴルフクラブ=7094ヤード、パー72)
 谷原秀人(37=国際スポーツ振興協会)が、劇的逆転でメジャー初優勝を飾った。自身2度目の2週連続優勝でツアー通算13勝目。3打差の2位から出た谷原は9バーディー、ボギーなしのコースレコードの63をマーク。通算22アンダーで武藤俊憲(38=フリー)と並んでホールアウトし、プレーオフ1ホール目で決着をつけた。
【最終R成績】

 執念で引き寄せた大逆転だった。18番で行われたプレーオフ。谷原はティーショットを大きく右に曲げた。しかし林の中から果敢にグリーンを狙った。残り240ヤード。3Wでスライスを掛けてグリーン手前まで運ぶと、パターで1・5メートルに寄せてウイニングパットをきっちり沈めた。

 「追いつくのに必死だった。メジャーを獲っていなかったので寂しいと思うところがあったので、これでやっとすっきりした」。死闘の末、初めてメジャータイトルを手にした喜びに浸った。

 2週前にドラコン王・安楽拓也プロ(46)のDVDを2万円で購入。スイング修正の参考にした。今週は安楽本人に指導を受けた。「どういう力感で打てばどういう球が出るという確信と感覚が身に付いてきた」。プレーオフの第2打はその成果が表れた一打だった。2週連続優勝で賞金6000万円を積み上げ「2万円が6000万円になったね」と笑った。

 序盤で武藤に5打差をつけられたが「何か燃えてきた。同世代に負けたくない」と逆に闘志に火が付いた。14番パー4では1オンを狙った第1打をグリーン手前の池に落とし、この日、雷雲接近による2度目の中断となった。嫌な流れの中、体力的にも精神的にもタフな戦いだったが、「全米オープンでは3度も中断した。(最終組の中で)僕が一番ベテランだと思った」と逆境すら楽しむ余裕があった。

 約1時間、ワゴン車で待機後、プレーを再開。するとドロップ後の第3打を50センチにつけてパーセーブした。それでも4打差。逆転は絶望的と思われたが谷原だけは違った。「絶対に最後まで苦しめてやろう。全ホールでバーディーを取れば追いつく」と力を緩めず16、17番の連続バーディーで1打差とし最終ホールで首位を捉えた。

 前日にはグリーン上でウエッジを使いバーディーを奪うなど、安定した技術と豊かな発想で2週連続優勝を飾った。11日には渡英し全英オープン(14日開幕、英国)に臨む。「予選通過できれば上に行くチャンスはある。日本の皆さんが時差ボケになるように頑張ってくる」。次は海外メジャーの舞台で大暴れする。

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