ジョンソン悲願メジャー初V 競技後1打罰も「勝ったからいい」

[ 2016年6月21日 05:30 ]

全米オープンを制し、トロフィーを掲げるダスティン・ジョンソン

米男子ゴルフツアー全米オープン最終日

(6月19日 米ペンシルベニア州オークモント オークモントCC=7229ヤード、パー70)
 4打差の2位から出たダスティン・ジョンソン(31=米国)が69で回り、通算4アンダーで悲願のメジャー初優勝を遂げた。メジャーでは幾度もV逸を経験。今回も競技後に1罰打を科されるハプニングがありながら逆転で米ツアー通算10勝目の節目を飾った。

 メジャーで泣き続けた男が日没寸前の18番グリーンで悲願を成就した。ウイニングパットを沈めたジョンソンはガッツポーズ。パートナーのパウリナさんと抱き合った。

 単独首位で迎えた14番。1メートルのパーパットを外して並ばれた。1年前の全米オープンは最終18番、決めれば優勝の4メートルのイーグルパットを1メートルもオーバー。返しも入らず敗れた。だが、今回は違った。再び首位に立つと、18番のティーショットは昨季1Wの飛距離1位(317・7ヤード)の飛ばし屋らしく303ヤード飛ばし、第2打でピン上1・5メートルにピタリ。「何度も惜しい経験をしてきた。優勝した実感はない」と喜びをかみしめた。

 実はプレー中、異例の事態に陥っていた。5番でパットを打とうと構えた時にわずかにボールが動いた。競技委員を呼び「動いた原因が選手にない」と一度は無罰の裁定が下されたが、映像を見た別の競技委員が「動いた原因が分からない。終了後に確認する」と12番で本人に通告。最終的に「パターをグリーンに付けた直後に動いたのでそれが原因と見るのが妥当」と1罰打となった。10年全米プロ選手権最終日にバンカーと荒れ地を勘違いしてクラブを地面につけ2罰打でプレーオフ進出を逃した過去があるだけに動揺してもおかしくなかったが、1罰打受けても2位とは3打差。力ずくでもぎ取った。

 ジョーダン・スピースらがツイッターで「ばかげている」「あり得ない」と主催者の米国協会を非難し、会見では何度も質問が飛んだ。だが、当の本人は「これで俺の事件簿がまた増えた。勝ったからいいじゃないか」と笑い飛ばした。薬物使用を噂され、14年に半年間休養をしたこともある、お騒がせゴルファー。初のビッグタイトルもまた、DJらしかった。

 ◆ダスティン・ジョンソン 1984年6月22日生まれ、米サウスカロライナ州出身の31歳。07年9月にプロ転向。08年ターニングストーン・リゾート選手権でツアー初優勝。以降は09、10年にAT&Tペブルビーチ・ナショナル・プロアマを連覇するなど9年連続で勝利を挙げツアー通算10勝。家族はアイスホッケーの元名選手ウェイン・グレツキー氏の娘でパートナーのパウリナさん(27)と長男・テータムくん(1)。1メートル93、86キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年6月21日のニュース