みなみ失速、涙のV逸 重圧に負けた…3打差守れず2位

[ 2016年6月20日 05:30 ]

ベストアマに輝いたが優勝を逃し涙を浮かべる勝みなみ

女子ゴルフツアー ニチレイ・レディース 最終日

(6月19日 千葉県千葉市 袖ケ浦カンツリークラブ新袖コース=6569ヤード、パー72)
 アマ史上初の完全優勝と通算2勝目を目指した勝みなみ(17=鹿児島高3年)は4バーディー、5ボギーの73とスコアを伸ばせず、通算9アンダーの207で首位と3打差の2位で終戦。14年KKT杯バンテリン・レディース以来の2勝目を逃した。2打差の3位から出た申ジエ(28=韓国)が68で回り、通算12アンダーでツアー史上3人目の大会3連覇を達成。今季2勝目、ツアー通算14勝目で賞金ランクも首位に浮上した。

 2年前の再現とはならなかった。最終18番でバーディーを奪った勝だが、優勝には3打届かず、ローアマとして出席した表彰式で号泣した。「優勝という2文字が先走って、体がそれについていかなかった」。2度目の優勝の重圧に押しつぶされた。

 出だしの1番で第3打をピンそば80センチにつけてバーディーが先行。2番終了時に2位との差は3まで広がった。だが、5番でグリーン手前バンカーからの第3打を4メートルオーバーさせてパーセーブに失敗すると、このホールでチップインバーディーを奪った申ジエとの差は1打に。さらに続く6番パー3でもアプローチを寄せきれずにボギーを叩き、バーディーの申ジエにたった2ホールで首位の座を受け渡した。7、9番もボギーとし申ジエの背中は一気に遠のいた。

 スタート前の練習グリーン上でキャディーを務める母・久美さん(49)と今週から始めたというグータッチを交わし、「今日も頑張ろう」と励まし合った。ゴルフ経験がほぼない久美さんだが、ツアーに帯同する中で顔見知りになったプロキャディーに「風はどうやって読むんですか」と積極的に質問するなど、娘のために尽力。勝とは「ツアーでトップ5に入れば新しいスマホに買い替えてあげる」と約束していただけに、「今日はみなみがつらそうで、私もつらかったです。(スマホは)買ってあげます」と娘をねぎらった。

 前人未到の快挙はおあずけとなったものの、2勝目を目指すという姿勢はぶれない。「プロになるとこれから先も同じような経験をすると思う。次に最終日最終組で回る時はこの経験を生かしたい」。涙が乾いた瞳はすでに次を見据えていた。

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2016年6月20日のニュース