室伏リオ射程!70メートル級投てき披露 決めれば5大会連続

[ 2016年6月18日 06:00 ]

豪快な投てきを見せる室伏

 陸上男子ハンマー投げの04年アテネ五輪金メダリストで、24日開幕の日本選手権(愛知)で2年ぶりに復帰する室伏広治(41=ミズノ)が17日、都内で練習を公開した。本格的な投てき練習を始めたばかりだが、70メートル級の投てきを披露。リオデジャネイロ五輪の参加標準記録(77メートル)突破へコンディションをさらに上げていく。

 フルパワーには程遠くても、鉄人らしさを見せた。サークルに入った室伏が軽く4本投げた後、やや力を込めて10本、ハンマーを投じる。「60メートルの後半から70メートルくらいはいっていたんじゃないですか」。5月末に日本選手権での復帰を宣言。投てき練習を始めたのは「ここ最近」としたが、昨年の野口裕史の優勝記録71メートル98に匹敵するような投てきだ。

 14年日本選手権で20連覇を達成し、競技会から離れた。20年東京五輪組織委員会のスポーツディレクター、日本オリンピック委員会(JOC)と日本陸連の理事、東京医科歯科大の教授を務めるなど多忙を極める中、復帰を決断。老若男女にスポーツを勧める立場のため、「我々が何もしていないと、説得力がないじゃないですか」と復帰理由を語った。

 この2年も時間をみつけて体を動かしてきた。独自の練習法を思いつけば、スーツを着ていてもすぐに動画に収め、実践してきた。この日も投てき練習前には入念に体をほぐし、ハンマーをぶら下げたバーベルで行う独自の筋力トレーニングなどを敢行。15年5月に一般女性と結婚したが、投てき練習を始めると指が腫れて結婚指輪が入らなくなった。「プロセスを楽しんでいる」と笑う。

 日本選手権の男子ハンマー投げは初日の24日。リオ五輪参加標準記録(77メートル)を突破して21度目の優勝を飾れば、五輪代表に決まる。「標準記録はあまり考えていない。日本選手権に向けて一日一日、いい状態になればいい。アスリートとして精いっぱいチャレンジして、やるだけの努力をする。アスリートは壁を乗り越えることに魅力を感じる」。無心で鉄球を投じた時、日本陸上界初の5大会連続五輪が実現する。

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2016年6月18日のニュース