みなみ 野球スイングでショット復調!首位発進呼んだ

[ 2016年6月18日 05:30 ]

18番、ティーショットを放つ勝みなみ

女子ゴルフツアー ニチレイ・レディース第1日

(6月17日 千葉県千葉市 袖ケ浦カンツリークラブ新袖コース=6569ヤード、パー72)
 前人未到のアマ2勝目へ最高の船出だ。アマチュアの勝みなみ(17=鹿児島高3年)が6バーディー、1ボギーの67をマークし、申ジエ(28)、金ナリ(30=ともに韓国)と並んで首位発進。勝が首位に立つのは史上最年少優勝を飾った14年KKT杯バンテリン・レディース最終日以来2年ぶり。67も今季ベストスコアだった。スタート前にはナショナルチームのコーチから課せられた野球の素振りでショットを調整。“神スイング”で安定感を取り戻した。

 ショットが次々にピンに絡んだ。勝は3番で残り101ヤードの第2打を1・5メートルにつけてバーディーを奪うと、9番でも残り122ヤードをPWで1メートルにピタリとつけてみせた。奪ったバーディーは6。ショットの復調で67を叩き出し、14年KKT杯バンテリン・レディース以来2年ぶりにリーダーボードのてっぺんに座り、「冷静に会見してますけど、心の中は凄くうれしいです!跳び上がりたいくらい」と満面の笑みを咲かせた。

 腰に負担のかからないスイングを目指して今年初めからスイング改造に着手。ツアー10試合で予選落ちは1度ながら「試行錯誤する中でどうすれば良いのか分からなくなってきた」と迷路に迷い込んだ。最近はバックスイングを上げる時に違和感が出てきたため、開幕前日に練習場でスイング動画を撮り、ナショナルチームのオーストラリア人コーチ、ガース・アンソニー・ジョーンズ氏(44)に動画を送って相談。すると、ダウンスイングで右肩が下がる悪癖をすぐに見抜かれ、指示されたのが“バットでベースボールスタイルの素振り”だった。

 元々ウオーミングアップで使うためにゴルフトレーニング用のバットを持ち歩いていたが、スイングを直す目的で使用したことはなかった。半信半疑ながら、スタート前の練習でぶんぶんフルスイング。野球好きで大の虎党は20回ほどバットを振り回すと、「野球のスイングは肩が水平に動くので、右肩が下がることがなくなった」。いざスタートしてみると効果はてきめん。「阪神に例えると3連勝くらいですね」と無邪気に笑った。

 7月1日に18歳の誕生日を迎える。17歳で戦うレギュラーツアーはこれが最後だ。17歳のうちに1勝が目標だが、2年前に初優勝した時も初日は首位発進だった。意気込みを問われると「優勝できると思ってラウンドすると、(優勝)しなきゃいけないに変わってしまう。気楽にラウンドした方が、今日みたいなスコアが出ると思う」とサラリ。落ち着き払ったこのメンタル。まるでプロのようだ。(井上 侑香)

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