ロシア陸上、リオ参加不可 潔白選手救済も薬物違反で処分継続

[ 2016年6月18日 01:01 ]

 国際陸上競技連盟は17日、ウィーンで理事会を開き、組織的なドーピングが問題となり昨年11月に資格停止としたロシア陸連への処分を継続することを決めた。コー会長が記者会見で発表した。これにより、同国選手団は8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪の陸上に参加できない。

 一方で同国の組織的ドーピングに関わっていないことを明確に示せる選手には、個人資格で参加を申請できるよう規定を変更した。潔白な選手に対しては、国際オリンピック委員会(IOC)も21日に開く会合で、救済策を検討する可能性がある。

 理事会では1月からモスクワで現地調査を重ねた調査チームが進捗状況を報告。これを受けて反ドーピング態勢の改善が不十分と判断し、「大幅な組織改善が必要」とした3月の理事会に続いて処分解除を見送った。ロシア選手は引き続き陸上の国際大会に出場できない。

 ロシアのムトコ・スポーツ相は17日、処分継続を決めたことを予想通りとした上で「対応する」と述べ、法的措置の検討に入るもようだ。タス通信が伝えた。

 ロシア陸連は、昨年11月に世界反ドーピング機関(WADA)第三者委員会の報告書で組織的なドーピングを認定され、ことし1月に会長以下の人事を刷新。同国スポーツ省も再発防止へ反ドーピング教育に着手していた。一方で2014年ソチ冬季五輪の不正疑惑が新たに浮上し、08年北京、12年ロンドン両五輪の再検査でもロシア選手からA検体で22件の陽性反応が出た。WADAが15日に公表した報告書でも深刻な検査妨害や隠蔽が指摘されていた。(共同)

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