ペンギンズ 7年ぶりスタンレー杯決勝制覇、MVPにクロスビー

[ 2016年6月13日 15:44 ]

プレーオフのMVPとなったペンギンズのクロスビー=左(AP)

 NHLの王座を決めるスタンレー杯決勝の第6戦が12日にサンノゼで行われ、ペンギンズ(東地区)が3―1で初出場のシャークス(西地区)を下して4勝2敗。王手をかけていた地元ピッツバーグでの第5戦(9日)は2―4で敗れたが、敵地でリベンジして7年ぶり通算4回目の優勝を飾った。

 試合はこのシリーズ全体を象徴するかのように序盤から接戦。ペンギンズは1―1で迎えた第2Pの7分46秒、FWシドニー・クロスビー(28)のアシストからDFクリス・ルタング(29)が勝ち越しのゴールを決めて優位に立った。クロスビーは第3Pにも2つ目のアシストをマーク。今ポストシーズンでは計23試合で6ゴール、13アシストと際立った成績ではなかったが、リーダーシップに優れた主将として評価されてプレーオフのMVPに選出された。

 クロスビーは2005年のドラフト全体1位で指名され、2季目から主将に抜てきされてチームを引っ張った。しかし09年に優勝を飾ったあとは脳振とうなどに苦しみ、チームは優れた戦力を保持しながらプレーオフに入って低迷(1回戦敗退3回、地区準決勝敗退2回、13年地区決勝はスイープ敗退)が続いていた。

 今季は15勝13敗(延長敗戦3)となったところでマイク・ジョンストン監督(59)を解任。しかし後任のマイク・サリバン監督(48)がクロスビーの能力を最大限に引き出し、そのイニシアルから“HBKライン”と呼ばれたカール・ハグリン(27)、ニック・ボニーノ(28)、フィル・ケッセル(28)の3人をうまく使ってチームを再生させた。

 ペンギンズは今季48勝34敗(延長敗戦8)の勝ち点104で東地区メトロポリタンの2位でプレーオフに進出。しかしクロスビーが「ここにたどりつくまでの道は険しかった。だから喜びもひとしお。しばらくこの気分を楽しんでいたい」と語ったように、今ポストシーズンも苦難の連続だった。東地区準決勝ではリーグ最多勝ち点(120)を挙げてメトロポリタンのディビジョン首位(地区全体1位)だったキャピタルズを4勝2敗で撃破。6試合中3試合が延長にもつれ込む激闘だった。ライトニングと顔を合わせた東地区決勝では第5戦を終えた段階で2勝3敗。一時は崖っ縁に追い込まれた。しかしそこから連勝してスタンレー杯決勝に進出。シャークスとのこのシリーズも延長が2回あり、3ゴール差以上がついた試合は一度もなかった。

 FWのエフゲニー・マルキン(29)は「プレーオフになって突然、これまでと違ったチームのようになった」と接戦の中で強くなっていたチームの底力を実感。ペンギンズはスタンレー杯決勝の出場回数こそ5回だが優勝は4回目で、勝率・800は4回以上優勝したチームの中ではアイランダース(出場5回、優勝4回)と並んで史上最高となった。

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