桐生アンカー起用プラン 4×100メダルかけボルトと対決へ

[ 2016年6月13日 06:40 ]

リオ五輪男子400メートルリレーのアンカーに起用するプランが浮上した桐生

 陸上男子100メートルで10秒01の日本歴代2位の記録を持つ桐生祥秀(20=東洋大)を、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーのアンカーに起用するプランが12日、浮上した。これまで3走がメインだったが、日本陸上競技連盟・苅部俊二男子短距離部長(46)が勝負強さを買って、抜てきしたい考えを明かした。銅メダルを獲得した08年北京五輪以来2大会ぶりのメダルへ、20歳が大きな期待を背負っていく。

 短距離界の“顔”には花形のアンカーが似合う。既に出場権を得ているリオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーの走順について、日本陸連・苅部男子短距離部長が日本学生個人選手権の行われたShonanBMWスタジアム平塚で言及。10秒01の日本歴代2位の記録を持つ桐生を、アンカーで起用する計画を明かした。

 「アンカーが一番面白いでしょう。気持ちがアンカータイプ。強い相手がいるほどいいと、私は思っている。国内のレースだと、重圧から走りが硬くなることもあるけど、海外の速い選手に対してチャレンジャー精神で臨む時は力を発揮できる。アンカーで使いたい」

 6人の代表メンバー発表は27日とあって、現時点では「確定的なことは何も申し上げられない。メンバー次第ではどこを走るか分からない」と断りを入れながらも、目は真剣そのものだった。

 14、15年の世界リレー選手権で桐生は3走を務めた。カーブを走る技術、バトンの受け渡しの技術が求められる要職だった。しかし、本人が望む順番は違うようだ。「本人や土江コーチと話すと、アンカーをやりたがっているように感じる」と苅部部長は言う。

 ジャマイカ代表のウサイン・ボルトは、金メダルを獲得した昨夏の北京世界選手権でアンカーを走った。リオで世界最速男と現役日本最速男が初対決する可能性がある。

 日本チームは7月の国内合宿、米国での最終合宿を経てから4年に1度の祭典に向かう。今回の日本は桐生以外にも山県らがメンバー入りする見込みで史上最強とも期待される。08年北京五輪の銅メダル以来となる、この種目2つ目のメダルへ。感動のシーンが、桐生で完結する。

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2016年6月13日のニュース