新生日本白星発進!19年W杯へ、SH茂野→FB松島逆転トライ

[ 2016年6月13日 05:30 ]

<日本・カナダ>後半29分、茂野のパスから松島が逆転トライを決める(AP)

ラグビー テストマッチ 日本26―22カナダ

(6月11日 カナダ・バンクーバー)
 世界ランキング10位の日本は同18位のカナダと敵地で対戦し、26―22で競り勝った。日本は後半にレッドカードの退場者を出して数的不利を強いられたが、同29分に初キャップとなった途中出場のSH茂野海人(25=NEC)のパスからFB松島幸太朗(23=サントリー)が逆転トライ。19年W杯日本大会のレギュラー候補たちの活躍で、15年のW杯後、初めて主力選手が招集された代表戦で勝利。18日のスコットランド戦(豊田ス)に弾みをつけた。

 19年のジャパンを背負う2人が強烈な光を放った。一発レッドで14人となり、攻めあぐねていた1点差の後半29分。SH茂野がラックサイドを自ら突いて抜け出し、インゴールまで10メートルに迫ったところで右手でかき出すようにパス。追い掛ける相手の虚を突きFB松島にボールが渡ると、松島が1人を引きずったままトライ。会心の連係に「パスが最高のタイミングだった。あれ以外はトライにならなかった」と“ポスト田中”を大絶賛した。

 スーパーアシストで初キャップを白星で飾った茂野は「試合中パニックになってしまったこともあった」と反省したが、3年後の9番に一歩前進したことは間違いない。W杯は2大会連続で田中史朗が正SH。この日も先発は田中だった。だが、前半に肩を痛めて交代。予想外の出番にもパスさばきや状況判断でも遜色ないプレーを見せた。

 たどっている道程も田中と重なる。ニュージーランドの国内選手権で活躍し、田中が日本人初のスーパーラグビー(SR)選手となったのは13年。茂野も昨年、オークランドの9番で同選手権に参戦。上位組織のSRブルースとは契約に至らなかったが、開幕直前にサンウルブズに加わり、レギュラー格に上り詰めた。「田中選手のように落ち着いて状況判断ができるようにしたい」と話したが、代表内でも評価が高まるのは間違いない。

 昨年のW杯ではウイングで全4戦に先発した松島も、ポスト五郎丸を宣言してフルバック先発を直訴。より自由度の高いポジションで、持ち味のアタックセンスを見せて結果を残した。それでも「得意としているアタックをさらに出せればいい」と満足はしていない。

 残り1分を切ってから4点差に迫られると、波状攻撃に耐え続けた。最後は自陣インゴールでプレー継続が不可能となりノーサイド。個人のアピールはもちろん、19年に向けてチームとしても結果が欲しかった新生ジャパン。苦しんでつかんだ1勝は、ポスト15年W杯戦士たちへの糧となった。

 ▼マーク・ハメット・ヘッドコーチ代行 完璧な出来ではなかった。最後に見せた気迫を最初から出してほしい。14人で逆転し、長い時間を守り切ったのは大きい。次の試合までに連係を良くしたい。

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