リオ五輪 自転車競技が事実上の“五輪撤退” 競技場建設で危機的状況 

[ 2016年5月31日 11:55 ]

昨年10月時点の自転車トラック競技場

 建設の遅れが目立っているリオデジャネイロ五輪の自転車トラック競技場(ベロドローム)がついに“危機的状況”に陥った。AP通信によれば、30日になってリオデジャネイロ市側はこれまで工事を請け負っていた主要建設会社の認可を取り消し、開会式まであと68日となった段階で別の会社に引き継がせることに方針転換。組織委員会側は「トラックのサーフィス(表面)は完成している」としているが、6月25日から27日に行う予定だった各国代表選手による「トレーニング・セッション」についてマリオ・アンドラーダ広報は「開催するのは難しい」という見解を初めて示した。

 総工費4300万ドル(約47億7000万円)のベロドロームの工事の進ちょく状況についてリオデジャネイロ市側は「88%はできている」と語ったが、従来の数値は98%。10%下回ってしまった理由は不明だが、業者を変更せざるをえない深刻な事態になったことだけは間違いなさそうだ。

 国際自転車競技連合(UCI)のブレイン・クックソン会長はこのほど「工事が遅すぎる」という懸念を表明したばかり。AP通信の取材に答えたアンドラーダ広報によれば、すでにUCI側が「競技場の完成があまりにも本番の間際になるので、世界クラスの選手の参加は難しい」と、事実上の“五輪撤退”を伝えてきたと語っている。

続きを表示

2016年5月31日のニュース