貴乃花部屋、江東区移転へ “聖地”両国国技館により近く

[ 2016年5月30日 06:30 ]

貴乃花部屋の移転先である江東区内の建物

 大相撲の貴乃花部屋が6月下旬に東京・中野新橋から江東区内に移転することが29日までに分かった。師匠の貴乃花親方(元横綱)は04年2月に実父の故先代師匠(元大関・貴ノ花)から部屋を継承。それ以降、自身も育った地で幕内・貴ノ岩、十両・佐藤ら弟子の育成を行ってきたが、このほど“相撲の聖地”東京・両国国技館により近い場所に拠点を移すことで、部屋や一門の繁栄を目指す決断を下した。

 移転先は延べ床面積413・30平方メートルの2階建てを相撲部屋に改装する。1階は稽古場、ちゃんこ場、部屋事務所が置かれ、トレーニング器具も完備。2階は関取衆の個室、若い衆の大部屋、師匠の自宅がある。引っ越しは6月下旬を予定しているが、名古屋場所や夏巡業があるため新天地での本格始動は9月の秋場所前からとなる予定だ。

 新たな部屋は両国から約6キロと近く、立地的にも貴乃花親方が総帥を務める「貴乃花一門」に所属する阿武松部屋、大嶽部屋、立浪部屋、千賀ノ浦部屋の中心地となる。連合稽古の拠点としても最適で、貴乃花親方は「継承した際に先代からも“いつかは両国の近くに部屋を構えるように”と言われていました。このたび一門、部屋の繁栄のために心機一転、移転することを決めました」と説明した。

 先代が部屋を構えてから34年。かつて中野新橋は「若貴フィーバー」などで知名度を高めたが、亡き先代の言葉を胸に貴乃花親方が新たな環境で相撲道を歩む。

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月30日のニュース