表純子“棚ぼた”V 強風中止、前日首位で「複雑な心境」

[ 2016年5月30日 05:30 ]

2日まででトップの表純子が優勝

女子ゴルフツアー リゾートトラスト・レディース最終日

(5月29日 徳島県鳴門市 グランディ鳴門GC36=6524ヤード、パー72)
 前代未聞の“棚ぼた”Vだ。最終組が9番を終えた後に強風のため競技が中止となったが、54ホール中36ホール消化で競技は成立。トーナメント規定により第2日終了時の成績が適用され、最終日の9ホールで45を叩いた表純子(42=中部衛生検査センター)が通算9アンダーで優勝した。ツアー史上最多の連続出場記録を更新し続ける“鉄の女”にとっては複雑なツアー5勝目となった。

 華やかな表彰式でひたすら恐縮する表がいた。ハーフで45も叩きながら、転がりこんできた勝利。拍手喝采を受け登壇すると、率直な思いをマイクに乗せた。

 「複雑な心境ですけれど、(実質)プロ20年目で5勝目を挙げることができてうれしく思います」。想定外の優勝だ。2日目に64の大会コースレコード記録を出し単独首位で迎えた最終日。強風でショットやパットが乱れ4番から連続ボギー。6番パー3ではOBを打ち7打も費やすと、8番はボギー、9番はダブルボギーで貯金を全て吐き出した。31位にまで後退し肩を落としてハーフターン。10番のティーショットを打った直後だった。

 強風による中断となり、クラブハウスで再開を待つこと1時間32分。競技中止が決まった。中断時点で首位のイ・ボミらとの差は7打もあったものの、規定により最終成績は第2日終了時点の成績。よって、表に優勝が転がり込んだ。

 苦笑いのツアー5勝目だが、ゴルフの神様からの贈り物ともいえる。ツアー史上最多の連続出場試合を更新し続ける“鉄の女”で、今大会が187試合目。ところが今季は5度の予選落ちで大会前の賞金ランクは46位と苦しんでいた。低迷が続くと、出場が限られる最終戦に出られず、連続出場試合の記録も途絶える可能性があった。順調なら最終戦で212試合に達する。「素直にうれしい」とこの時ばかりはホッとした表情を見せた。

 賞金ランクの加算は75%で1080万円だが、全選手がスタートしたため手にしたのは1440万円。「熊本に義援金を送ろうと思っている」と即答した。これで勝利への欲求が高まったことも収穫。「これが最後(の勝利)だったら一生、言われそう。もう一回、ちゃんと勝たないと」。42歳のベテランはそう、自分に言い聞かせた。

続きを表示

2016年5月30日のニュース