金藤、圧倒頂点 15年世界選手権「金」相当2分20秒93

[ 2016年5月23日 05:30 ]

優勝し、声援に応える金藤

競泳ジャパン・オープン

(5月22日 東京辰巳国際水泳場)
 女子200メートル平泳ぎは金藤理絵(27=Jaked)が15年世界選手権金メダルに相当する2分20秒93の好タイムで優勝。同世界選手権覇者のライバル、渡部香生子(19=JSS立石)に体2つ分のリードをつける完勝で、リオデジャネイロ五輪での金メダルへ大きく前進した。

 100メートルのターンで抜け出し、金藤は独泳態勢に入った。合宿で追い込む中で今大会を迎え「心も体もボロボロ」と弱音を吐いた27歳だったが、レース本番では疲れを見せず、最後までスピードを維持したままゴールを目指した。2秒78差をつけたライバル渡部に4月の日本選手権に続き連勝。貫禄を漂わせながらも「私自身2分20秒台で泳げるとは思っていなかった」と謙虚に語った。

 以前は終盤に「バテる」ことを恐れ、前半は体力を温存していた。だが、15年世界選手権で6位に終わり「情けない」と号泣。大舞台で敗れるたびに「引退」の2文字を口にしていた金藤だが「応援してくれる人の記憶に残るレースがしたい」と初めて前を向いた。これが大きな転機となり、昨秋以降は積極的な入りを練習。作戦は奏功し、2月に約7年ぶりとなる日本記録を更新した。

 15歳の池江は主将となった金藤の姿に「私たちより早く練習を始めて、私たちより終わるのが遅い」と感嘆する。努力が実り、金メダル、そして世界記録をも狙える位置に上り詰めた。約10年コンビを組む加藤コーチも「日本人として、努力の人で最後に成功してほしいと僕は思っている。寺川綾がそうだったように」と期待を寄せている。

 五輪2大会連続2冠の北島康介氏を育てた日本代表の平井伯昌ヘッドコーチも、キャリア終盤で結果を残した寺川とダブらせながら「一ストローク、一ストロークが金メダルに近づいてきているように見えていた」と太鼓判を押した。金ロードを突き進むベテランは「最大の正念場は五輪1週間前、そこで自信があれば(2分19秒台を出した)4月のような結果になる」と気を引き締めた。

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2016年5月23日のニュース