稀勢の里 大一番から連敗で今場所後の昇進消滅、千秋楽が正念場

[ 2016年5月22日 05:30 ]

鶴竜(右)に敗れる稀勢の里

大相撲夏場所14日目

(5月21日 東京・両国国技館)
 稀勢の里にとっては痛すぎる1敗となった。勝てば千秋楽まで優勝の可能性が残った結びの鶴竜戦。左四つになったものの上体を起こされ、相手の右外掛けでバランスを崩して後退。そのまま赤房下に寄り切られた。落下する際に左すねを土俵に強打。支度部屋に戻ると「あー、痛えな、くそっ」ともん絶した。患部は大きく腫れ上がり、国技館内の相撲診療所では打撲と診断され、治療後は無言で引き揚げた。

 14勝以上の優勝なら横綱昇進の可能性があった。さらに、V逸でも14勝なら昇進させてもいいのでは、という声も一部で上がっていた。だが2敗で優勝を逃し、それも消滅。友綱審判部副部長(元関脇・魁輝)は「無理ですね」と明言した。

 連敗を喫したものの、千秋楽の日馬富士戦に勝てば2場所連続13勝となり、横綱への道は途切れない。二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)は「13勝ならつながる。12勝なら(審判部の)みんなとの話し合いになる」と説明した。鶴竜戦では史上最多タイの61本の懸賞が懸かったように、和製横綱誕生への期待は大きい。ここで踏ん張れるか。稀勢の里が正念場を迎えた。

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2016年5月22日のニュース