パリで高級時計購入 支払い時期に疑惑の人物 五輪招致、仏検察も把握

[ 2016年5月18日 10:03 ]

 2020年東京五輪招致の不正疑惑で、招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に13年7月、95万ドル(約1億円)を支払ったのと同時期に、国際陸連会長(当時)の息子パパマッサタ・ディアク氏(50)側がパリのシャンゼリゼ地区で高級時計、宝飾品など計約13万ユーロ(約1600万円)相当の買い物をしていたことが17日、分かった。パパマッサタ氏は疑惑の中心人物。

 五輪招致を巡る汚職、資金洗浄などを捜査しているフランス検察当局は共同通信の取材に対し、こうした事実関係を把握していることを認めた。

 日本からの2回にわたる支払い計約230万ドルの一部が使われた可能性がある。検察当局は日本からの入金と金銭消費の時期が近接していることに注目し、高額品の購入を通じた資金洗浄や、贈答や現金授受による買収などがなかったか、捜査を進める方針だ。

 招致委は13年7月29日に95万ドル、10月24日に137万5千ドルをパパマッサタ氏と関係が近いとされるシンガポールの「ブラックタイディングス社」に支払ったと説明。欧州メディアでは今年1月ごろから、パパマッサタ氏側が13年7月16、25の両日に計13万1400ユーロの買い物をしたと報じられた。

 シャンゼリゼ通り近くの集合店舗「エリゼ・ショッピング」で時計などを買い、うち8万5千ユーロはブラックタイディングス社が代金を振り込んだとされる。振込日は不明。

 一方、ロシア選手らのドーピング隠蔽を巡る汚職で取り調べを受けている国際陸連の反ドーピング部門責任者(フランス人)は、パパマッサタ氏側からモナコのホテルで高級時計と現金5万ユーロなどを受け取ったと供述。同氏が父に宛てて13年7月29日付で送った電子メールには4人の人物の氏名と「50K」「30K」など買収目的の現金供与などをうかがわせる記載があったと報じられた。(共同)

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2016年5月18日のニュース