JOC 五輪招致疑惑の契約書は「守秘義務」で開示せず

[ 2016年5月17日 18:40 ]

 2020年東京五輪招致を巡る不正疑惑で、招致委員会理事長だった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は17日、前日の衆院予算委員会に続いて参院予算委に参考人として出席し、約2億2200万円を支払ったシンガポールのコンサルタント会社との契約書や活動報告書について「守秘義務があり、相手に確認せずに開示できない」と述べた。自身は15日に内容を確認したという。

 招致委で事務総長代行を務めた明星大の樋口修資教授は17日、東京都内で取材に応じ、13年11月ごろに30~40ページにわたる勝因分析の報告書を受け取ったと証言した。中身も「それなりに書かれていた」と評価した。

 疑惑を調べる民進党の調査チームの会合でも契約書の開示を巡るJOCとの議論は平行線に終わった。玉木雄一郎国対副委員長は「この状態が疑惑を深めていると思わないのか」と訴えたが、JOCの平岡英介専務理事は「賄賂を払うなんて絶対にあり得ない」と強調し、調査チームの質問を曖昧な答えでかわす場面が目立った。

 山井和則国対委員長代理は、政府が4年後の五輪開催国として26日開幕の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でスポーツ関連の不正防止策を盛り込んだ行動計画を策定する方針であることを踏まえ「疑惑が晴れなければ議長国としての責任を果たせない」と述べた。

 馳浩文部科学相は閣議後の記者会見で、招致活動における海外コンサルタントの情報収集が不可欠だったと強調した。

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