八村塁 NBA目指す!2メートル2の“でっかい野望”

[ 2016年5月12日 05:30 ]

2メートルを越える長身の八村塁は、余裕の表情で天井に触れて報道陣を沸かせる 

 バスケットボールのホープで男子日本代表候補の八村塁(18)が11日、都内で会見し、全米大学体育協会(NCAA)1部のゴンザガ大への入学が“内定”したことを発表した。西アフリカのベナン出身の父から2メートル2、105キロの体躯(たいく)を受け継ぎ、競技歴わずか6年間で世界最高峰のリーグであるNBAの登竜門への挑戦を現実にした逸材。日本人2人目のNBAプレーヤーを目指し海を渡る。

 週末に渡米を控え、18歳は希望に満ちていた。八村は昨年末にNCAAでプレーするための英語の試験に合格。渡米後はゴンザガ大の語学学校に通い、一定の英語力が認められれば9月に正式に入学する。「1年目から試合に出たい。今年から試合に出ることを話してきた」。1日最長10時間も英語の学習に励んでおり、秋から日本人男子5人目のNCAA選手になる準備は万端だ。

 小学校では野球と陸上を経験。中学でコーチに誘われ現在の競技を始め「NBAに行く」と豪語した。2メートル2の高さ以外にもシュート力が武器で、16チーム中14位に沈んだU―17世界選手権では1試合平均22・6点で大会得点王に輝いた。さらに昨春には世界トップクラスの高校生が招待される「ジョーダン・ブランド・クラシック」に日本人で初めて出場した。

 試合には約18分出場し9得点、5リバウンドを記録。世界中の関係者が注目する舞台で実力を証明した。「(NBAは)最初は夢だったが、経験していくうちに目標に変わった」。ゴンザガ大は米国代表の「ドリームチーム」で活躍したジョン・ストックトンを輩出。例年NBAのドラフトに引っ掛かる実力者が育っており、八村にもその扉は開かれている。

 親元を離れての暮らしにも不安はない。米国での楽しみを聞かれ「肉がいっぱい食べられること」と答え、米国へ持参する物を聞かれ、ベナンで購入した「布の地図。カラフルで好き」と続けた。「日本人は謙虚なところがあり、外国人に比べれば僕もそれはある。そこを良い意味で出していきたい」と魂には和が宿る。田臥勇太が日本人初のNBA選手になったのが04年。米国で続く長い空白を、この男が埋める。

 ◆八村 塁(はちむら・るい)1998年(平10)2月8日、富山県出身の18歳。富山・奥田中1年でバスケットボールを始め、中3で全国準優勝しベスト5に選ばれる。宮城・明成高で全国高校選抜優勝大会3連覇。14年8月のU―17世界選手権では、優勝した米国相手に25得点を挙げた。父はベナン人、母は日本人。2メートル2、105キロ。

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2016年5月12日のニュース