十種競技の右代“肉体改造”は本物 大会新記録V

[ 2016年5月2日 05:30 ]

 陸上の日本選抜和歌山大会最終日は1日にリオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて和歌山市紀三井寺陸上競技場で行われ、男子十種競技は日本記録保持者の右代啓祐(スズキ浜松AC)が同五輪の参加標準記録を突破する大会新の8160点で優勝した。前半トップの中村明彦(スズキ浜松AC)は7929点で2位だった。女子七種競技はヘンプヒル恵(中大)が5730点の大会新記録で制した。女子三段跳びは宮坂楓(ニッパツ)が13メートル14で勝った。

 大好きな食べ物を断ってまで取り組んだ肉体改造は本物だった。日本記録保持者の右代が8160点を出し、リオ参加標準記録(8100点)を突破。最終日は世界トップクラスのやり投げと円盤投げで得点を稼いだ。

 「この冬にいろいろと新しいことを始めた。それがいい方向に導いてくれたと思っている」

 米国武者修行から戻った2月頃から小麦抜きの食生活に変えた。テニスのジョコビッチで有名になった小麦製品に含まれるグルテンを摂取しない食事療法だ。愛するラーメンだけでなく、しょうゆさえも遠ざけ、1メートル96で100キロあった体重が92キロに。体脂肪は8%から3%に減少した。他の練習の効果も重なって「しなやかに体を使えるようになった。疲れにくくなった」と、三十路(みそじ)前の体が息を吹き返した。

 和歌山といえば、ラーメンが有名だ。幸先のいい16年のスタートを切り、「今日はいいかな。ずっと食べてないんで」と一夜限りの解禁を宣言。こってりと胃袋を満たした先のターゲットは、あっさり日本記録更新だ。

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2016年5月2日のニュース