笠 68とスコア伸ばし首位キープ 故郷熊本に贈る完全V王手

[ 2016年4月24日 05:30 ]

<フジサンケイレディス2日目>選手が熊本地震支援チャリティの合間に作成した寄せ書きを手に笑顔の笠りつ子

女子ゴルフツアー・フジサンケイ・レディース第2日

(4月23日 静岡県伊東市 川奈ホテルゴルフコース富士コース=6367ヤード、パー72)
 熊本女はこの日も強かった。笠りつ子(28=京セラ)が5バーディー、1ボギーの68とスコアを伸ばし、通算10アンダーの134で単独首位を守った。ツアー4勝目は自身初の完全優勝で飾り、故郷に吉報を届ける。首位と6打差の17位だった上田桃子(29=かんぽ生命)ら今大会に出場している熊本出身のプロ5人は全員が予選を通過した。
【第2R】

 愛する熊本を思う気持ちがショットに乗り移ったかのようだった。笠は次々にチャンスを演出。7番では残り180ヤードの第2打を7Iでピン1・5メートルに絡めてバーディーを奪うと、9番パー3では9Iでピンの奥2メートルにつけてスコアを伸ばした。「17番でボギーを打ったのできょうは80点。良い感じにできているんじゃないかと思う」と68のラウンドに自信をみなぎらせた。

 先週発生した熊本地震で菊陽町の実家も被災。両親が経営するゴルフ練習場は壁が剥がれるなど大きな被害を受けた。家族や従業員は練習場の駐車場にテントを張り、その中や車中で生活している。その中でも、実兄でプロゴルファーの哲郎と、姉貴分と慕う熊本出身の古閑美保は避難所となっている公民館などを訪問し、エコノミークラス症候群予防のためのストレッチなどを指導しているという。

 首位を走る笠にはテレビカメラも密着。懸命にプレーする姿は被災地も含めて全国に中継された。この日のホールアウト後に熊本の親友から「りっちゃん、みんな励まされているよ。私も頑張るね。火の国の女は強かけんね」と無料通信アプリ「LINE」でメッセージが送られてきたことを明かし、「凄く励みになります」と目を細めた。首位発進した初日には熊本の実家を訪れた古閑から「行け行けりっちゃん」というメッセージとともに古閑、古閑のおい、笠の愛犬クロちゃんが写った写真が届いた。

 2位のアン・ソンジュとはわずか1打差。3打差に6人がひしめく混戦模様だが、「誰よりも負けられないという気持ちはある」。一人で優勝争いをしているのではない。胸を打つたくさんの応援を力に変え、残り18ホールを戦い抜く。

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2016年4月24日のニュース