市原 長尺パターで奪首!今季自己最少65マーク

[ 2016年4月23日 05:30 ]

18番、桜を背にパットを放つ市原

男子ゴルフツアーパナソニック・オープン第2日

(4月22日 千葉県野田市・千葉カントリークラブ梅郷コース=7130ヤード、パー71)
 ツアー未勝利の市原弘大(33=フリー)が今季自己最少スコア65をマーク。通算8アンダーに伸ばし、13位から単独首位に浮上した。長尺パターを武器に7バーディー(1ボギー)を量産した。単独首位から出た熊本出身の永野竜太郎(27=フリー)は73を叩き、5位に後退した。
【第2R】

 46インチの長尺パターの使い手が首位に浮上した。市原は「アイアンショットが良くてバーディーチャンスをつくれたのが良かった」と目尻を下げた。インから出て12番で1メートルを決めてバーディー。15番は2・5メートル、16番は5メートルの難しいラインを沈めて連続バーディー。4番からは3連続。次々とチャンスをものにした。

 21歳で長尺パターを使い始めた。今年1月のアンカリング禁止に備えて2年前に35インチの短いパターに替えたが、微妙なタッチが合わなかった。「フィーリングは長いパターで培った。タッチは長尺の方が出る」。中尺を使った年明けの2試合は予選落ちした。

 長尺回帰のきっかけはマスターズ。長尺を使うベルンハルト・ランガー(ドイツ)が優勝争い。市原はテレビの前で「ランガースタイルでいこう」と決断し、前週から投入した。アンカリングを避けるため左手を胸から離してパットするランガーと同じスタイルで今大会は初日、2日目とも合計26パットにまとめた。

 熊本地震は人ごとではない。昨年の中日クラウンズからコンビを組む井野洋輔キャディー(30)は熊本県阿蘇郡南小国町出身。家族は避難生活、車中泊を余儀なくされている。市原は帰郷を勧めたが、話し合った末「一緒に頑張ろう」とともに戦うことを決めた。

 ダンロップ・スリクソン福島オープンの開催地・福島県西郷村に車いすを寄贈するなど東日本大震災の被災地支援にも積極的な市原は「今回も何かできれば」と支援を検討しているが、まずはゴルフでエールを送る。

 ツアー最高成績は11年長嶋茂雄招待セガサミー・カップの4位。初優勝へ「優勝はもちろんしたいけど、良い時も自分を緩めないようにしたい」と気持ちを高めている。

 ▽アンカリング クラブの一部を体に固定して支点をつくってストロークすること。長尺パターのグリップエンドを胸に当てたり中尺パターのグリップエンドを腹部に当てるやり方が一般的。クラブを持つ前腕部を胸に押しつけるなど間接的に支点をつくることも含まれる。今年1月から禁止された。ただ長尺パターや中尺パターを使用すること自体は禁止されていない。

 ◆市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日、東京都生まれの33歳。3歳でゴルフを始める。埼玉平成高時代に日本ジュニア優勝。同校卒業後の01年にプロ転向。10年目の10年に初シード。12年に陥落したが、14年に再びシードに返り咲いた。昨季獲得賞金は2324万4476円でランク48位。1メートル71、80キロ。

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