“金の卵”大鵬の孫、いきなり準V 中学時代は体脂肪率60%の肥満児も…

[ 2016年4月23日 09:30 ]

大鵬の血を受け継ぐ納谷幸之介

 注目のDNAが高校相撲で頭角を現してきた。その名は納谷幸之介(なや・こうのすけ)。全国屈指の強豪・埼玉栄高相撲部2年で、母方の祖父は大相撲で優勝32度の第48代横綱・大鵬、父は元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏という血筋を継ぐ。4人兄弟の上から3番目で、同校の山田道紀監督が「将来性は素晴らしい。プロに入ってから横綱、大関を目指せる素質は持っている」と大きな期待を寄せる金の卵である。

 00年2月14日生まれの16歳ながら身長1メートル88、体重150キロの堂々たる体格を誇る。同校相撲部の練習に参加し始めた中学1年時には体脂肪率が60%を超える肥満児だったが、山田監督の指導によって現在は40%前半まで落ちている。高校に入学した昨年は公式戦のメンバーにはほとんど選ばれることはなかったが、今年に入って急成長。先月に行われた全国高校新人選手権大会の無差別級に出場するなり、いきなり準優勝を果たした。

 同校相撲部には昨年の高校総体団体優勝に貢献した3年生に加え、中学横綱の塚原隆明(2年)と神山龍一(1年)、さらに全国都道府県中学生選手権無差別級覇者の手計富士紀(2年)と斎藤大輔(1年)という実績十分のメンバーが集う。山田監督は「納谷がレギュラーになれる保証はない。練習でもまだまだ弱いですから」と話す一方で「勝負に対する気持ちの強さは秀でたものがある。あと2年で(大相撲の)幕下上位の力をつけてあげたい。慌てないで育てます」と説明した。納谷は「8月の高校総体でレギュラーになって団体優勝に貢献したい」と意気込むとともに「プロに行って通用する体を高校で作りたい」と将来の角界入りを明言。ちなみに兄の次男・幸林(たかもり)も今春、中大に進学して相撲部に入部しており、数年後に弟とともにプロ入りする可能性は十分にある。大成するかは本人の今後の努力次第だが、大鵬の孫が白鵬に引導を渡すようなことがあればこれ以上ないドラマチックな展開。そんな夢のような筋書きを想像しながら成長を見守っていきたい。(鈴木 悟)

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2016年4月23日のニュース