パラリンピアン通じユニバーサルコミュニケーション学ぶ

[ 2016年4月21日 15:22 ]

講演を行ったパラリンピアンでJTBコミュニケーションデザイン社員の小池岳太さん

 今年4月に障害者差別解消法が施行され、2020年には東京パラリンピックが控えるなど、ユニバーサルコミュニケーション対応が企業に求められている。そんな中、JTBコーポレートセールスが障がい者への理解を深めてもらう第一歩として、企業の人事、教育、ダイバーシティ担当の管理職や現場リーダーを対象にした「障がい者スポーツを通したユニバーサルコミュニケーションセミナー」を20日、都内で行った。

 セミナーでは障がい者スポーツ競技のアルペンスキー選手としてトリノ、バンクーバー、ソチのパラリンピック3大会に出場経験を持ち、現在はJTBコミュニケーションデザイン営業企画局に勤務する小池岳太さん(33)が講演。小池さんは20歳の時に事故で左腕まひとなった際の話やアルペンスキーとの出合い、国内で障がい者を取り巻く環境などについて、具体的な事例を交えながら話した。「大会や遠征などで海外に行った際、日本と障がい者に対する違和感を感じます。交通機関、意識のバリア、障がい者本人の意識の差ですね。障がいは特徴であって、一つの個性だと思います。世の中が障がいへの意識を変えて、もっと“普通”にまざり合ってほしい」と小池さん。

 続けて「まざり合う機会作りとして、社員による手話講座や手話歌イベント、健常者と障がい者がランニングや自転車、サッカーなど楽しめるスポーツイベント、障がい者のインターンシップなどがあるでしょう。まざり合う結果、さまざまなぶつかり合いが生じるかもしれませんが、その行動こそが新たな価値、モノを生み出すチャンスだと思います」と、一歩踏み出す大切さを伝えた。

 小池さんの講演に続き、ブラインドサッカーを利用した体験型研修「~目をOFFにすると発見がある~OFF T!ME Biz」セミナーを実施。ブラインドサッカー協会認定講師、選手の指導の下、セミナー参加者はアイマスクを着用し、8割の情報が失われる「見えない」状態の中、チームワークを高めるためのコミュニケーション、信頼関係、チームとしての親密感、それぞれの役割、目標設定の大切さを体感した。

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