有村 益城町の隣町が実家「ベッドにしがみつくのが精いっぱい…」

[ 2016年4月16日 05:30 ]

記者の質問に答える有村

 熊本地震を受け、中止となった女子ゴルフのKKT杯バンテリン・レディース。参加を予定していた選手は預けていたクラブなどを受け取りに会場を訪れ“恐怖の一夜”を振り返った。

 会場の熊本空港CCがある菊陽町は最大震度7を観測した熊本県益城町の隣町。有村智恵(28)は益城町の隣、嘉島町の実家で被災し「マッサージ中でしたが、ベッドにしがみつくのが精いっぱい。テーブルの下に身を隠すこともできずに早く収まってと祈るしかなかった。地震と同時に停電し、断水した。大きな棚が倒れて部屋中にガラスの破片が飛び散った」と明かす。真っ暗闇の中を被害の少なかった知人宅に両親、姉、妹とともに身を寄せて不安な夜を過ごした。

 この日は被害の最も大きかった益城町を通ってコース入り。「倒壊した家屋や道路に亀裂が入っていてひどかった」と惨状を目にした。普段なら20分の道のりが通行止めの箇所もあって2時間半かかってたどり着いた。

 ホテルの部屋でマッサージ中だった宮崎出身の大山志保(38)は「女性マッサージ師さんと手を取り合っていた。それから3時半まで眠れなかった」と漏らした。試合が中止となり「宮崎に帰りたいが、高速道路が通行止めでは…」と困惑顔。前週のスタジオアリスで優勝し、昨年優勝したこの大会で2年連続と2週連続のダブルVを狙うはずだった菊地絵理香(27)は菊陽町のホテルで激しい揺れに遭った。「ホテルの部屋にいた。余震が止まらなかったので、駐車場に移動して車の中で12時ごろまで待った。部屋に戻ったが怖くてほとんど眠れなかった」と目を赤く腫らした。

 女子ツアーが地震で中止になるのは11年3月の東日本大震災でヨコハマタイヤPRGRカップが第2日から中止され競技不成立となったあと3試合が中止されて以来。各選手は一様に硬い表情でコースを離れていった。

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