JGTO青木新会長は種をまく 男子ツアー再生のキーマンは?

[ 2016年4月14日 09:36 ]

インタビューに答える青木JGTO会長

 男子ゴルフツアーは国内初戦となる東建ホームメイト・カップ(14日開幕、三重・東建多度CC名古屋)で本格的な戦いが始まる。3月に就任したばかりの日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長(73)にとっては陣頭指揮を執る最初のシーズン。改革に向けた構想を聞いた。

 ――会長に就任して1カ月が経過した。改めて男子ツアー改革のプランを聞かせてほしい。

 「頭の中にはあるけど、選手会の宮里優作会長はじめ理事の方とも話をして検討しないといけない。こういうふうにしたいと言ったからといってすぐに動くわけはない。(発表するまで)もう少し時間が欲しい」

 ――丸山茂樹プロを相談役に、尾崎将司プロを特別顧問に起用した。どういった役割を期待する?

 「俺が直接、宮里会長に話を聞くより、間に丸山が入ってクッション役になることが必要な時がある。もちろん直接話せることは直接話した方がいいけど。丸山ならうまくやってくれるんじゃないかなと期待して入ってもらった」

 ――尾崎プロへの期待は?

 「俺とジャンボ(尾崎)はこれまでゴルフ界を築いてきた人間。でも20歳くらいの人たちはそれを知らない。我々がやってきたことを伝えていきたい。だから彼に特別顧問になってもらった」

 ――試合数、観客を増やすことが課題だが?

 「俺が会長になったからといってすぐに試合数が増えるものではない。ただ増える雰囲気をつくりたい。JGTOと選手会が一体になってスポンサーの気持ちをくすぐるような行動、言動をできたらいい。今年はできなくても、来年は(大会を)やってみようかなという企業が出てくるようにアピールしたい」

 ――プロアマを変えるのも一つの策?

 「アマチュアとプロが同じティーグラウンドを使うようにしたり、なるべく会話できるような案を考えている。選手会の考えも聞いて決めるけど、なるべく早い時期にスタートできたらいい。それでスポンサー、アマチュアの人たちが喜んでくれたらいいと思う」

 ――試合自体も面白くないといけない?

 「ギャラリーがプロと会話できるような雰囲気のトーナメントになっていけばいい。“どこから来たの?”とか“朝早くからありがとう”とか、プロから一言声を掛けるだけで違う。俺も若いときにはできなかったけど、年齢を重ねてファンのありがたみが分かってくる。22、23歳の選手にも早いうちにそういうことを分かってほしい」

 ――マッチプレー、プロアマのような変則大会を設ける可能性は?

 「俺も世界マッチプレーや日本マッチプレーに出場して優勝もしているが、そういう大会もいいかもしれない。松山が出場したデル・マッチプレーはトーナメントではなく昨年からグループリーグを採用した。新しい試みで面白いと感じた。新規のスポンサーが出てきたら、そういういろんなアイデアを提案するのもいい」

 ――今季、特に期待している選手はいる?

 「全員に期待している。ただ大事なのは試合結果ではなく、以前と比べてどう変わったか。どんなにゴルフがうまくても試合がなければ評価されないということを意識してほしい。スポンサーがいて、ゴルフ場があって、ギャラリーがいて、裏方として働いている人がいて初めて我々の仕事が成り立つ。選手がそういう意識を持てたらゴルフ界は変わっていく」
 ――松山英樹をはじめ強い選手が米ツアーに挑戦するのは仕方ない?

 「米国に行くのは仕方ない。でも松山、(石川)遼、岩田にはどこがベースなのか忘れてほしくない。日本で頑張ったから米国に出て行けたんだから。松山が日本の試合に出てくれたらそれはうれしい。でもそれは本人の考え方次第。遼は(腰痛で)離脱しているけど、日本のゴルフを盛り上げてくれた選手だから、米国でも、日本でもどちらでもいいから、早くゴルフができるようになることを願っている」

 ――会長としてゴルフファンにメッセージを?

 「会長として“人を育む”という理念を掲げた。これから選手が人間として社会人として成長するように取り組んでいく。トーナメントの雰囲気も変わっていくと思う。ぜひ試合会場に足を運んで楽しんでほしい」

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