水谷“逆”愛の力8強 福原の交際相手と対戦、負けたら新聞ネタに…

[ 2016年4月14日 05:30 ]

水谷は男子シングルス初戦を突破し8強入り

卓球リオデジャネイロ五輪アジア予選第1日 水谷4―2江宏傑

(4月13日 香港クイーン・エリザベス体育館)
 男子シングルスで世界ランキング7位の水谷隼(26=ビーコンラボ)がエースのプライドで第1ステージ初戦を飾った。福原愛(27=ANA)の交際相手・江宏傑(27=台湾)との対戦に気まずさを覚えながらもきっちり8強に進出。また、女子シングルスの福原も江宏傑と同じく初戦の2回戦で敗れた。石川佳純(23=全農)はサウスポー対策が実って白星発進した。

 日本のエースはメディアへの扱われ方を心得ている。今大会の初戦で敗れた場合、水谷は新聞の見出しがイメージできていた。相手は福原の交際相手・江宏傑。1週間前に2人の熱愛が明らかになったばかりだ。時の人に勝利を献上するようなことがあれば、ネタにされることが明白だった。

 「負けたら日本に帰れない。メディアに“愛の力”と言われそうなので」

 トッププレーヤーの意地が出たのは第6ゲーム。一進一退のシーソーゲームの最後は、得意のラリー戦とサーブで得点を重ねて11―9で振り切った。過去5戦全勝、世界ランキング72位の格下に「思ったよりも粘ってきた」と苦しめられながらも4―2で8強に進出。ただし、プラン通りでなかったことを認める一方、「実力は自分の方が圧倒的に上だと思っている。2ゲームを取られたけど、余裕はあった」と世界ランキング7位のプライドもにじませた。

 試合からさかのぼること数時間前。実は「昼食が福原さんと一緒だった」という。会話をすれば、自然と対戦相手の話になる。福原は“彼氏”の相手を知らなかったようで、名前を告げると「一瞬、気まずかった」と微妙な空気が流れた。居心地の悪さを感じながら初戦の舞台に立っていた。

 準々決勝はロンドン五輪王者の張継科(中国)。「向かっていくだけ」と力強い。8月の大舞台に向けても、強敵に嫌なイメージを植え付けるつもりだ。

 ▽リオデジャネイロ五輪アジア予選 アジアに振り分けられた五輪シングルス出場枠は11。第1ステージはアジアを5つのブロックに分け、各地区のトーナメント戦優勝者のみが権利を獲得。日本は東アジア地区で中国、韓国、香港、北朝鮮などと同組。敗れた選手が残り6枠を懸けて第2ステージを戦う。形式は勝ち抜け方式のトーナメント戦。今大会に出場すれば、世界ランキングによる選出を受けられる。5月2~5日の間に発表されるランキング上位22人(有資格者を除く)に入れば出場権をつかめるため、上位につける日本勢の五輪出場は確実になっている。1カ国・地域からシングルスに出場できるのは男女各2選手まで。

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2016年4月14日のニュース