19年W杯日本大会 花園ラグビー場で日本代表戦開催が困難に

[ 2016年4月14日 06:43 ]

19年W杯において花園ラグビー場が日本代表の試合を開催することが極めて難しい情勢である

 2019年ラグビーW杯日本大会で、花園ラグビー場が日本代表の試合を開催することが極めて難しい情勢であることが13日、分かった。

 ラグビー場を所有する大阪府東大阪市が同市議会から3月に承認を得た工事費総額は41億円。この予算は収容2万4000人(仮設席含む)の競技場を想定しており、これでは開催国や強豪国同士の試合をする目安「収容4万人以上」と大きくかけ離れている。試合会場は17年秋に決まるものの、西の聖地でのビッグマッチは困難な状況だ。

 現在は3万人収容で座席は全てベンチシート。これを個別席に変える必要があり、昨年3月に開催都市に決まった段階では、市は仮設を含めて3万5000席にする計画でいた。しかし、土地の利用上の制約がスタンド拡張の妨げになっていることもあって、想定より1万人減になった。

 また、今回の改修は「東大阪市の負担の範囲内で整備をする」(東大阪市ワールドカップ推進室)とあくまで現実路線。手を加えるのは座席のほかに大型スクリーンと照明の設置など、必要最低限となる見込みだ。屋根の改修は計画には入っていない。そのため、死角席を生んで不評を買っている支柱は取り残される。市民や企業からの募金を継続して集めるものの、数十億円規模の国からの助成金がない限り、柱の撤去や屋根の拡張はできない。17年1月から本格的な工事に着工。全国高校ラグビー大会は継続して開催する。

 数字上は日本戦開催が難しいが、ラグビーワールドカップ2019組織委員会は「過去には4万人に届かないスタジアムでも開催国の試合をした例がある。4万人はあくまで目安。厳格ではない」と説明した。17日にはW杯統括責任者のアラン・ギルピン氏が花園を視察する。トップの目に西の聖地がどう映るのか注目だ。

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2016年4月14日のニュース