松山 日本人初2年連続トップ10も「悔しい。自分にあきれた」

[ 2016年4月12日 05:30 ]

最終ラウンド、7番で第2打を放ち、天を仰ぐ松山英樹。通算イーブンパーの7位に終わり日本男子初のメジャー優勝を逃した

マスターズ最終日

(4月10日 米ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 首位と2打差の3位から逆転を狙った松山英樹(24=LEXUS)は4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73で通算イーブンパー、288の7位に終わった。6番で今大会初のダブルボギーを叩くなど前半39と崩れ日本男子初のメジャー優勝を逃した。だが、昨年の5位に続く1桁順位で、来年の大会出場権は獲得した。優勝は3打差の5位から出たダニー・ウィレット(28=英国)。この日67で回り通算5アンダーで初優勝を飾った。

 クラブハウス前にそびえ立つ巨大な木の下に設けられた取材エリア。松山は目を潤ませて「悔しい」と絞り出した。

 ショットが乱れた。1番はフェアウエーからの第2打が右にそれてボギー。連続ボギー後の6番はティーショットが右に曲がって木に当たり ラフに落下。寄せもグリーンを転がり落 ちて、痛恨のダブルボ ギー。「フェアウエーから何回も何回もグリーンを外しているようじゃ話にならない。自分にあきれた」とうなった。

 その後3バーディーで巻き返したものの13番の1・5メートルのイーグルトライを含め後半はチャンスをことごとく逃した。「13番のイーグルパットが入ったら追いつくチャンスがあったのかな」と悔し さをにじませた。

 昨年は最終日に66を 出してメジャー自己最高の5位。今年は本気で優勝を狙って いた。昨季は勝負ど ころのパットで何度も泣いた。だから勝つためにアドレスを変えた。大きく足を開いて構えていたがスタンス幅を狭くし足をハの字に置くことで膝を内側に入れて下半身を固定した。

 ショットは球をつかまえやすくするため従来より少しだけインサイドからクラブを下ろすように修正。アプローチは丸山茂樹に助言を受けた。2月のフェニックス・オープンで優勝。自信を携えてオーガスタに入った。

 ところが、練習で好感触だったショットは「試合になってだんだん自分の思い通りにいかなくなった」。好調のパットも「3日目の15番からおかしくなったものを、修正し切れる力がなかった」。 最終日は オーガスタで9ラウンドぶりにオーバーパー。日本男子初のメジャー優勝に届かなかった。

 それでも強風が吹き、グリーンが硬く速い、難しい条件を克服し て7位。日本人初の2年連続1桁順位に「昨年はグリーンが柔らかくて遅い中で5位。今年は風が吹いて皆が苦労するようなコンディションでこの位置にいられたことは凄く自信になった」と胸を張った。

 メジャーで頑張るモチベーションの一つは日本のゴルフ界を盛り上げること。「自分が良いプレーをしたら(低迷する)日本の男子ツアーの見方も変わる。もっと優勝争いをして良いニュースが届けられるように頑張りたい」。悔しさを糧に松山はまた立ち上がる。

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