桃田 東京五輪へイバラの道 復帰できてもポイント0から再出発

[ 2016年4月11日 05:30 ]

8日の会見で謝罪する田児(左)と桃田

 日本バドミントン協会は10日、都内で緊急理事会を開き、違法カジノ店でバカラ賭博をしていた8人に対する処分を発表した。世界ランキング2位の桃田賢斗(21)は日本代表選手の指定解除と無期限の競技会出場停止となり、メダルが期待されたリオ五輪出場は消滅。復帰時期は見通せず、東京五輪に向けても大きな痛手となった。12年ロンドン五輪代表の田児賢一(26=ともにNTT東日本)は、主導的な役割を担ったとして無期限の登録抹消。11日以降に所属先の処分も発表される。

 理事会では執行部から処分案が提示され、NTT東日本の調査内容を踏まえて協議が行われた。桃田に関する処分案は無期限の出場停止。「甘いんじゃないか」「将来性ある選手なのでもう少し早く復帰できないのか」。両方の意見が出たが、最終的には全会一致で原案通りに決定した。

 協会の処分規定は軽い方から注意、解任、賠償、出場停止、登録抹消、除名があり、永久追放に等しい除名は免れ、桃田には将来的な競技復帰への道も残った。リオ五輪は断念せざるを得ないとはいえ、銭谷専務理事が「可能性はゼロではない」と話したように、20年東京五輪への道は閉ざされなかった。協会では更生プログラムをつくり、復帰をサポートする考えもあるというものの、それでも先行きは不透明なままだ。

 無期限となった処分の解除時期について、銭谷専務理事は「メドは考えていない」と説明。同様の出場停止処分を受けたB代表の古賀輝(22)の期間は「1年間」と区切られており、桃田がそれより長期となることは間違いない。銭谷専務理事は「今後の彼の言動や活動を勘案していきたい」と語るにとどめた。

 復帰できても現在の世界ランキング2位の立場は跡形もなくなる。直近52週の成績で算出される世界ランクのポイントは全て失い、ゼロからの再出発。ポイントを稼ぎ直すには、毎年12月の全日本総合選手権後に発表される日本代表に入り、国際大会に派遣される必要がある。桃田にとっては18年12月の全日本総合選手権までに処分が解除されなければ、東京五輪の代表レースにすら加われない危険性も出てくる。

 それ以前に、自らの不祥事でリオ五輪を逃し、心技体のレベルを4年後まで維持し続けられるのか。軽い気持ちで手を染めた違法賭博の代償は、バカラの負け金50万円よりはるかに高くついた。

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2016年4月11日のニュース