15歳今井月 リオ決めた!強烈まくり2位、派遣記録を突破

[ 2016年4月8日 05:30 ]

女子200メートル個人メドレーでリオ五輪代表を決め笑顔の今井

競泳リオデジャネイロ五輪選考会兼日本選手権第4日

(4月7日 東京辰巳国際水泳場)
 東京五輪の星たちがリオに乗り込む!女子200メートル個人メドレーは15歳の今井月(るな、豊川高)が2分10秒76で2位に食い込み、五輪派遣標準記録(2分11秒03)を切り代表入りした。女子100メートル背泳ぎは、14歳の酒井夏海(スウィン南越谷)が1分0秒12で優勝。個人での派遣記録(59秒85)は逃したが、400メートルメドレーリレーの派遣記録(1分0秒25)を破り、代表へ前進した。女子200メートルバタフライでも、16歳の長谷川涼香(東京ドーム)が2位となり、既にリオ切符を持つ15歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)とともに代表を決めた。

 スーパーJK(女子高生)がまた一人誕生した。今井が女子200メートル個人メドレーで派遣標準記録を切って2位に入り、五輪代表を決めた。背泳ぎの100のターンは最下位だったが、本職の平泳ぎ、ラストの自由形で強烈なまくりを見せた。最後は「死ぬ気で泳いだ」と、この種目の昨年の世界選手権銀メダリスト・渡部を0秒17差かわしてリオ切符をつかんだ。

 「夢みたい。ゴールの瞬間は本当に行けたのかすぐに分からなかった。200メートル平泳ぎが残っているので気持ちを切り替えたいけど、多分、今日は寝られないです」

 お母さん、見ていてくれましたか――。35歳で急死した母・リサさんをいつも隣に感じながら泳いできた。別れは何の前触れもなく突然やってきた。08年8月15日。月の8歳の誕生日だった。父・博美さん(50)は今も鮮明に覚えている。

 「僕は仕事に出ていて。ルナから電話がかかってきて“ママおかしいよ、息してないよ”って」

 心に大きな穴があいた家族にとって水泳が支えだった。母が他界した翌週から試合に出場。悲しみを打ち消すように泳ぎ、力を付けていった。その姿に父も励まされた。

 スクールに通い始めた3歳から「プールサイドから放り込んでも水を嫌がらなかった」(博美さん)という水の申し子。「本格的にやり始めたのは最近」という個人メドレーで、記録ラッシュの池江、200メートルバタフライの長谷川に続く“JK代表”にまで上り詰めた。

 「五輪はずっと父と2人の夢だった。まず良かった」

 大会中のため6日の豊川高校の入学式には出られなかったが「こっちの方が楽しい」と屈託がない。ラテン語で月を意味する名前。リオの夜空にもきっと輝く。(倉世古 洋平)

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