“女萩野”清水 涙の初五輪!スクールで作新学院で姉貴分

[ 2016年4月5日 05:30 ]

2位で派遣標準記録を突破し、笑顔の清水

競泳リオデジャネイロ五輪選考会兼日本選手権第1日

(4月4日 東京辰巳国際水泳場)
 「女萩野」がヒヤヒヤものの初五輪切符獲得だ。女子400メートル個人メドレーで清水咲子(ミキハウス)が派遣標準記録をわずか0秒2上回って突破。最後の自由形では優勝した同僚の高橋美帆のキックを目にし、「無で泳いだ」という日本記録保持者はフラッシュインタビューで号泣。「自分では記録を切れているか分からなかった。美帆が握手をしてくれて、ああ突破してくれたと思った。凄くうれしいと言ったら嘘になるけど、タイムは別にして自分を褒めたい」と複雑な胸中を吐露した。

 萩野とは同郷で、みゆきがはらSS、作新学院高と同じ道を歩んできた。2学年年下の「こうちゃん」は可愛い弟のような存在で、一緒にディズニーランドへ遊びに行ったこともある。だが、一度水の中に入れば「どちらが上か分からない」というほど、ジュニア時代からトップ選手として活躍してきた萩野に対し、清水は伸び悩んだまま。社会人1年目だった昨年の日本選手権で400メートル個人メドレーで初優勝。遅咲きのスイマーがようやく開花した。

 昨夏の世界選手権(ロシア・カザニ)でも6位と健闘したが、「この体重では戦えない」と肉体改造に着手した。主食をパンから白米に替え、40キロがやっと一回上がるだけだったベンチプレスは、今では60キロを上げる。母・みどりさんも「新聞で写真を見たら、体が大きくなっていた」と目を丸くするほどの肉体改造に成功。その成果は今年2月のコナミ・オープンで、日本記録となって表れた。

 誕生日は4月20日。「きれいな花が咲く季節」(母・みどりさん)という着想から咲子と名付けられたスイマーは、まだ五分咲き。8月のリオデジャネイロで、必ず大輪を咲かしてみせる。

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