桐生、狙っていた9秒台「60メートルまで手応えあった」

[ 2016年4月4日 05:30 ]

9秒台には届かなかった桐生(右)

陸上テキサス・リレー

(4月2日 米テキサス州オースティン)
 テキサスの風は気まぐれだ。風向きを考慮してスタートとゴールを通常とは反対にしたレースで、桐生の組は向かい風1・4メートルになる不運に見舞われた。スタートで飛び出したものの、伸び切れず10秒24。昨年の9秒87は追い風3・3メートルの参考記録だった。今年も風に翻ろうされた。

 「60メートルまでは手応えがあった。本当はタイム(9秒台)を狙っていたので、出したかった」

 日本初の9秒台はお預けながら、向かい風1・0メートル以上では日本最速。朝原宣治が96年アトランタ五輪(1・6メートル)と02年スーパー陸上(1・4メートル)で出した10秒28を更新した。追い風2・1メートルの1組は10秒12が最高。2組の桐生はタイムで敗れたものの、9秒台の記録を持つ選手らを抑えて1位でゴールした。「手応えは去年より感じている」という内容で五輪イヤーの第一歩をしるした。

 3月には米国の名門ベイラー大で、昨年の世界選手権銅メダルのブロメル(米国)らと練習し、スタートの技術でヒントをつかんだ。「思い切っていって、ミスしなくなった」という収穫はこの日も表れた。次は29日の織田記念国際。“その時”は確実に近づいている。

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2016年4月4日のニュース