【金野潤の目】「引き出し」増えた女子48キロ級近藤 本番楽しみ

[ 2016年4月4日 09:34 ]

女子48キロ級決勝の延長戦で、遠藤に巴投げを決めて勝利した近藤

柔道全日本体重別選手権

(福岡国際センター)
 注目された女子48キロ級は浅見が初戦敗退し、近藤との直接対決は実現しなかった。優勝した近藤が五輪代表となったわけだが、試合内容からは成長がうかがえ、本番が楽しみだと感じた。近藤は体幹の強さが武器。一方で一発の破壊力には優れていたものの、ムラもあった。しかし、この日は技が掛からなくても粘り強く、細かい技をつないで相手を攻略した。試合に対する「引き出し」が増えた印象で、まだまだ成長できる余地を残していると思う。

 浅見の例だけでなく、男子でもトップシードの選手が苦杯を喫するケースが目立った。もちろん、代表争いの重圧がかかる選手と「失うものはない」という他の選手では、試合に臨む状況は異なる。代表に選ばれた選手は海外選手に対する実績を評価されているもので、何も恥じることはない。ただ、それでも五輪本番の重圧はこんなものではない。なぜ、勝ちきれなかったのかをしっかり分析し、8月へと向かってほしい。代表となった以上、結果を残す責任がある。「やるのは自分しかいない」という決意を求めたい。 (94、97年全日本選手権者、日大男子監督、文理学部准教授)

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2016年4月4日のニュース