【岡崎真の目】真央、物足りない演技点…フリー「何か」つかんで

[ 2016年4月2日 08:09 ]

女子SP9位だった浅田真央の演技
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フィギュアスケート世界選手権第2日

(3月31日 米マサチューセッツ州ボストン)
 浅田の冒頭のトリプルアクセルは軸が傾き、空中の軌道が小さくなった。転倒こそしなかったが、回転不足とGOE(出来栄え評価)による減点が大きかった。左膝に不安を抱えているということだが、その影響からか、左足での踏み切り直後に左右のバランスが崩れたように見えた。

 全体的な雰囲気で言えば、全日本選手権に比べ持ち直したように感じたが、気になるのは5項目の演技点が伸びていないこと。特に「要素のつなぎ」は7点台と低い。今季のSPは粋で、これまでにない雰囲気を醸しだしており、浅田の新境地を開拓している。だが、要素と要素の間が少し寂しい気がする。私的な言葉で表現すれば「素晴らしいダシが効いており、おいしいのだが具が少ないように感じる」といったところだろうか。これも体調不安による練習不足などが影響しているとすれば残念だ。

 GP復帰戦の中国杯のSPで本人なりに手応えのあった演技ができたものの、得点が思ったように伸びなかったという経験が、迷いにつながっている可能性もある。いずれにせよ、戦線復帰シーズンの締めくくりのフリー。「何か」をつかんでほしいと切に願う。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2016年4月2日のニュース