錦織サーブ改良16強!若手のプイユ見て「いいな」と即対応

[ 2016年3月30日 05:30 ]

サーブを放つ錦織

テニスマイアミ・オープン

(3月28日 マイアミ)
 男子シングルス3回戦で世界ランキング6位の錦織圭(26=日清食品)は、同29位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(27=ウクライナ)に6―2、6―2でストレート勝ちを収めた。上位陣が軒並み姿を消す波乱の大会の中、4大大会に次ぐ格付けのマスターズ大会初制覇に向けて順当に5年連続の16強入りを果たした。29日午後9時(日本時間30日午前10時)以降に始まる4回戦では、世界18位のロベルト・バウティスタ(27=スペイン)と対戦する。

 荒れるマイアミもなんのその。第6シードの錦織は番狂わせの雰囲気をみじんも感じさせなかった。第1セットの第1ゲームこそサービスゲームを落としたが、直後にブレークバックに成功。その後は一度もブレークを許さずに完勝した。

 圧倒する要因となったのが、初戦の2回戦から見違えるようになったサーブの安定感だった。「ファーストを入れることを意識してスピンを多めにした」と確実性を重視し、常にストローク戦を有利に進めた。

 改善のヒントは前夜の試合にあった。3回戦で世界8位のフェレール(スペイン)を破ったフランスの若手、プイユのサーブのイメージを取り入れた。プイユはトスを上げる際に少し背中を反り、大きなフォームで打つ。「いいなと思った」とその動きを頭に描いた。

 「風上では絶対に(ゲームを)落とさないようにし、風下では(コースで)ボディーを狙うなど工夫した」。蒸し暑さと風にも対応して1時間11分で勝負を決めた。

 酷暑のせいもあってか、今大会は波乱の展開が相次いでいる。4回戦には世界9位のツォンガ(フランス)を破ったバウティスタが勝ち上がってきた。錦織は過去3戦全勝と相性がよく、爆発力のあるツォンガよりはくみしやすい相手だ。

 その次の準々決勝で対戦の可能性があったA・マリー(英国)は3回戦で敗退。フェデラー(スイス)は体調不良で欠場、ナダル(スペイン)も初戦で途中棄権しており、トップ10で3回戦を突破したのは4人だけ。錦織より上位は、決勝で対戦する可能性のある世界1位のジョコビッチ(セルビア)だけだ。波乱の渦を乗り越えて、マスターズ初制覇を狙う錦織の視界は大きく開けている。

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