「美しいにもほどがある」ハヌル スマイル満開完全V

[ 2016年3月28日 05:30 ]

優勝を決め申ジエと抱き合って喜ぶキム・ハヌル

女子ゴルフツアーアクサ・レディース最終日

(3月27日 宮崎市 UMKカントリークラブ=6482ヤード、パー72)
 初日から首位をキープしていたキム・ハヌル(27=韓国)が5バーディー、2ボギーの69をマーク、通算9アンダー、207で完全優勝した。昨年9月のマンシングウェア東海クラシック以来、ツアー2勝目。キム・ハヌルは88年のツアー制度以降では初の3試合連続初日から2日間トップの記録をつくり、先週までの2試合は4、5位に終わっていた。2位は通算4アンダーの申ジエ(27=韓国)。吉田弓美子(28=フリー)ら8人が通算2アンダーの3位に並んだ。

 韓国でのキャッチフレーズは「美しいにもほどがある」。そのキム・ハヌルの笑みがはじけた。前週、前々週の大会でも第1、第2ラウンドで首位に立ちながら、最終日に重圧で崩れた。三度目の正直でつかんだツアー2勝目に「先週まで最終日に緊張してスコアを崩していた。今回は緊張しながらでも自分なら必ず勝てると強い気持ちを持った」と胸を張った。

 同組の米女子ツアー元賞金女王、申ジエをドライバーで50ヤードも置いていくほどアドレナリンをあふれさせた。終盤16番では「打った感触が凄く良かった。3メートルぐらい前から入ると分かった」という12メートルのロングパットをねじ込んだ。最終18番パー5ではバンカーから3打目を1メートルにつけて通算9アンダーまで伸ばし優勝をつかみ取った。「韓国でも日本と同じように2勝目は難しいと言います。大変だったから1勝目よりもうれしい」と実感を込めた。

 韓国ツアーでは11、12年と2年連続で賞金女王。昨年、韓国の実家が近く同年齢で仲のいい賞金女王イ・ボミの後を追って日本ツアーに参戦した。母国で「スマイル・キャンディ」の異名を持つイ・ボミは次戦の海外メジャー「ANAインスピレーション」に備え、今大会は不在だったが、代わって「スマイル・クイーン」との愛称を持つもうひとりの“美人刺客”が主役に躍り出た。

 これで7、4、5位、優勝と開幕から4試合全てトップ10入りし賞金ランキングもイ・ボミを抜いて2位に浮上。「最終目標は賞金ランキング10位以内。気を引き締めてシーズンを戦いたい」。これで外国勢は開幕4試合で3勝目。日本人プロにとって美しく怖い敵がまた現れた。

 ◆キム・ハヌル 1988年12月17日生まれ、韓国京畿道出身の27歳。12歳からゴルフを始め、06年にプロ転向。韓国ツアーでは11、12年と2年連続で賞金女王。14年に日本ツアーの予選会を受験し、15年から本格参戦。同年のマンシングウェア東海クラシックで日本ツアー初優勝。イ・ボミとは建国大の同級生。ハヌルはハングルで「空」の意味。愛称はスマイル・クイーン。1メートル70、58キロ。

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