白鵬 全勝の稀勢止めた!自画自賛「厳しく、いい相撲が取れた」

[ 2016年3月24日 05:30 ]

稀勢の里(右)を寄り倒しで退け、トップに並んだ白鵬

大相撲春場所11日目

(3月23日 エディオンアリーナ大阪)
 4場所ぶり36回目の優勝を狙う横綱・白鵬が全勝の大関・稀勢の里を寄り倒し、1敗を守った。厳しい立ち合いから一気に前に出て圧倒。単独トップだった稀勢の里を引きずり降ろした。白鵬、稀勢の里、大関・豪栄道の3人が1敗で並ぶ混戦。平幕の妙義龍がただ一人の2敗となった。
【11日目取組結果】

 勝負どころで迷わないから強い。白鵬は突っかけて不成立となった最初の立ち合いで左張り差しを見せた。そして2度目でも、同じように左で張って出た。続けて、痛めてサポーターをしている右肘で強烈なかち上げ。稀勢の里の上体を突き起こすと、左を深く差して前に出た。土俵際まで一気に押し込み、最後は力の差を見せつけるように、大関を左ですくうように土俵外へ叩きつけた。

 会心の内容だ。「もう、無心でいい相撲取ろうと思ってね。厳しく、いい相撲が取れた」。表情を崩すことこそなかったが、自画自賛せずにはいられなかった。

 これまで数字の上では41勝13敗と圧倒しながらも、13年九州場所に63連勝で止められるなど因縁深い対決を繰り返してきた稀勢の里戦。優勝争いの中、先行を許して迎えるのは初めてだった。今場所中は稀勢の里のことを「落ち着いている。あの落ち着きはどこから来ているのか」と珍しく意識する場面もあった。それでも、大事な場面での冷静さは横綱が一枚上手だった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「2回目(の立ち合い)も集中していたね。これが経験というのかな」と舌を巻いた。

 今場所は初日に過去全勝の宝富士に敗れ、まさかの黒星スタート。8日目に嘉風をダメ押しした際、土俵下で下敷きになった井筒審判長(元関脇・逆鉾)が左脚骨折の重症を負う大事故となり、厳重注意も受けた。だが、2日目以降は危なげない内容が続いている。大本命はトップタイに浮上。「後半、気持ちよく行きたいね」。荒れる春場所に夕なぎの穏やかな風が吹いてきそうだ。

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