タカマツ38年ぶり全英オープン金 有力リオ メダルへ弾み

[ 2016年3月14日 05:30 ]

女子ダブルスで優勝し、トロフィーを手に笑顔の高橋(左)、松友組(AP)

バドミントン全英オープン

(3月13日 英国・バーミンガム)
 女子ダブルス決勝で世界ランキング3位の高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が同11位の唐淵渟、于洋組(中国)を2―0で退け、同種目の日本勢では78年の徳田敦子、高田幹子以来38年ぶりの優勝を果たした。長い伝統と高い格式で知られる大会を制し、出場が有力視されるリオデジャネイロ五輪でのメダル獲得へ、大きな弾みをつけた。

 19世紀に始まり、106回を数える伝統ある舞台で、日本勢が38年ぶりに頂点に立った。女子ダブルスの高橋、松友組が決勝で中国ペアを圧倒。77年に世界選手権が始まるまでは世界一を決める大会と言われ、照明が落とされた格調高い雰囲気の会場は独特の伝統を漂わせる。両腕を突き上げて歓喜した高橋は「厳しい戦いが続いたけど、全英で勝ちたいという気持ちが強かった」と満面の笑みを浮かべた。

 高橋の強打で押し込み、ネット際では松友のラケットさばきがさえた。第1ゲームは序盤の連続得点で一気に突き放して21―10で奪取。第2ゲームも主導権を手放さず、21―12で制した。ミスが多かった相手とは対照的に、思い切りのいいプレーで躍動。松友は「試合を楽しむことができた」と笑みを見せた。

 強豪中国勢の「実質の1、2、3番手」(高橋)に3連勝。準々決勝ではロンドン五輪金メダルのペアを破り、準決勝では世界ランク1位を撃破した。「みんなが勝ちに来ている大会」(松友)という世界最高峰の大会で実力を力強く示した。

 ペアを組んで10年目。「恋人のような存在」(高橋)で、これまでケンカは一度もない。14年にスーパーシリーズ・ファイナルを初制覇し、昨年は世界ランク1位を長く維持するなど安定した成績を残す。男女シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、奥原希望(日本ユニシス)のブレークで注目度を奪われていたが、高橋は「目立つのが好きではないので。桃田、奥原が注目されているので、こっそりピュッと(結果を)出そうかと」と笑う。リオ五輪では主役の座を狙っている。

 ◆高橋 礼華(たかはし・あやか)1990年(平2)4月19日生まれ、奈良県橿原市出身の25歳。宮城・聖ウルスラ学院英智中から聖ウルスラ学院英智高に進み、高3時に高校総体で松友と組んだ女子ダブルスで優勝。09年に日本ユニシス入社。1メートル64、58キロ。

 ◆松友 美佐紀(まつとも・みさき)1992年(平4)2月8日生まれ、徳島市出身の24歳。聖ウルスラ学院英智高時代から1学年上の高橋とダブルスを組み、高校総体優勝。シングルスでも10年世界ジュニア選手権で銀メダル。10年に日本ユニシス入社。1メートル59、51キロ。

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