野口“ラスト五輪”獲る!引退覚悟37歳、完全燃焼誓った

[ 2016年3月12日 05:30 ]

記者会見でポーズをとる野口みずき(左)と木崎良子

 リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンは13日、ナゴヤドーム発着のコースで行われる。11日は名古屋市内で有力選手が会見し、04年アテネ五輪金メダリストの野口みずき(37=シスメックス)が、リオ切符獲得を誓った。五輪出場がかなわなければ、現役引退となる可能性が高い。度重なる故障からはい上がってきた不屈の37歳が、リオ・ロードを切り開く。

 946日ぶりの42・195キロへ、野口が熱い口調に決意を込めた。「私にとって、最後の五輪に向けての挑戦。悔いの残らないよう、強い気持ちを持って挑みたい」。02年、名古屋で駆けた初マラソンから14年。夢舞台につなげるため、37歳は思い出の尾張路で完全燃焼を誓った。

 フルマラソンは熱中症で途中棄権した、13年8月の世界選手権以来。37歳の元女王は、置かれた状況を冷静に見つめる。「全盛期と同じようにはできない」。かつては月間1200キロを超える驚異の練習量を誇ったが、今は1000キロ。今大会に向けた約1カ月の千葉合宿でも40キロ走は1本、30キロ走は2本にとどまった。

 リオ切符に届かなければ、引退する可能性が高い。厳しいレースは覚悟の上だ。「どれくらいの感覚でいけるか正直、分からない」。タイムもペースも、今は頭にはない。「自分らしい走りをすることが目標。タイム設定はしないで戦っていきたい」。大きなストライド、弾むピッチで駆けることが、夢舞台につながると信じている。

 この日、11年3月11日に発生した東日本大震災から、5年を迎えた。野口は07、08、13年と仙台国際ハーフで優勝。思うように走れなかった10年には、宮城県利府町の陸上教室で参加者に励まされたこともある。震災後は義援金を送り、募金活動やチャリティーランにも参加した。

 08年北京五輪を左脚付け根の肉離れで欠場するなど、度重なる故障に苦しんだ。何度も引退が頭をよぎったが、不屈の闘志ではい上がってきた。「全力で走りきりたい。優勝したら、五輪代表に近いと思う」。諦めずに夢を追う姿が、野口から被災地へのメッセージだ。

 ▽女子マラソンのリオデジャネイロ五輪への道 枠は最大3。昨夏の世界選手権で7位入賞の伊藤舞が既に内定。残り2枠は(1)さいたま国際(2)大阪国際女子(3)名古屋ウィメンズの各日本人上位3人が選考対象になる。そのうち、日本陸連が設定した派遣記録2時間22分30秒を切った選手が優先的に1人選ばれる。その他は記録、順位、レース展開などを考慮する。福士は大阪国際を2時間22分17秒で制し、唯一、派遣記録を突破している。

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2016年3月12日のニュース