シャラポワ衝撃“薬物使用”会見 いわく付き「抗虚血薬」でリオ絶望

[ 2016年3月9日 05:30 ]

ロサンゼルスで記者会見を行うシャラポワ

 女子テニスの元世界ランキング1位で、4大大会で通算5勝のマリア・シャラポワ(28=ロシア)が7日、米ロサンゼルスで会見し、1月の全豪オープンのドーピング検査で禁止薬物の「メルドニウム」に陽性反応が出たことを明らかにした。国際テニス連盟(ITF)から、12日以降、暫定的な資格停止処分を受けることも決まった。テニスのみならず、スポーツ界を代表する女子アスリートの衝撃的なドーピング事件。現役続行の意思は示したが、今後の選手生活に大きな影響を及ぼすのは間違いない。

 引退発表かと思われていた緊急会見で明かされたのは、さらに衝撃的な事実だった。黒い衣装に身を包んだシャラポワは、ITFからドーピング違反の文書を受け取ったことを明かし、「大きな過ちを犯した。テニスという競技の信頼も失墜させてしまった。全ての責任を負う」と沈んだ口調で語った。

 メルドニウムは不整脈などの治療に用いられ、競技力向上の効果がある。世界反ドーピング機関(WADA)が効果を継続的に監視し、昨年12月に新たに禁止薬物リストに追加した。シャラポワにも12月22日付で通知メールが届いていたが変更を確認していなかったという。「マグネシウム不足で家系的に糖尿病があった」と10年にわたり、医師に処方してもらっていたと弁明した。今年に入って同薬物の違反者は多発しており、シャラポワも競技力向上の意図がなかったかは疑問。ロシアのムトコ・スポーツ相はメルドニウムの使用に関し「残念ながら他にも同様のケースがあると思う。この薬物は使われてきた」と述べている。

 米経済誌のフォーブスによればシャラポワの昨年の年収は2970万ドル(約33億5130万円)で、世界で最も稼ぐ女性アスリート。しかし高級時計メーカー「タグホイヤー」は今年の契約を更新しないと発表。スポーツ用品メーカー「ナイキ」、高級車メーカーの「ポルシェ」も契約を一時的に凍結するとした。

 「私の競技人生をこのように終わらせたくはない。もう一度チャンスがもらえることを希望する」と現役続行の意思を表明したシャラポワ。しかし、メルドニウムの資格停止期間は原則4年、意図的でないと認められても2年は試合に出られない可能性がある。今後のツアーはもちろん、リオ五輪の出場も絶望的。今回の一件で支払う代償は計り知れないほど大きい。

 ◆マリア・シャラポワ 1987年4月19日、ロシア出身の28歳。4歳でテニスを始め9歳で米国に渡り、後に錦織圭も学ぶIMGテニスアカデミーで腕を磨いた。01年にプロ転向。04年、17歳でウィンブルドン選手権初優勝。05年に初の世界ランキング1位。12年、全仏オープンを制して史上10人目の生涯グランドスラム(4大大会全制覇)を達成。4大大会通算5勝。1メートル88、59キロ。

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