駆け引きのうまさ光った北島 五輪への強い気持ち見えた…高岡寿成の目

[ 2016年3月7日 08:50 ]

勝負どころで駆け引きのうまさを発揮した北島

びわ湖毎日マラソン

(3月6日 皇子山陸上競技場発着)
 五輪出場権を争う日本人選手同士の駆け引きが見られたのはよかった。序盤は外国人ペースメーカーが設定より速いタイムで飛び出してしまう想定外の事態にも、各選手が冷静に対応した。

 日本人トップの北島はマラソン2連勝の自信、駆け引きのうまさを勝負どころで発揮した。途中で右脇腹を押さえる場面がありながら“五輪に行くんだ”という強い気持ちが表れていた。日本人2番手の石川は36歳、経験を生かした内容だった。どのレースでも大崩れがなく、調整のうまさもうかがえる。

 丸山は30キロ過ぎから思い切りのいいスパートを見せたが、レースはトータルでまとめることが大事。25歳で初マラソン。経験がないからできたとも言える強気の走りだった。この気持ちを忘れずに次につなげてほしい。

 今回は全く別のレースをしていた外国勢と五輪本番では勝負しなければならない。駆け引きで本物のレースをした経験を生かすためにも、一層の精進を期待したい。(男子マラソン日本記録保持者、カネボウ陸上部監督)

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2016年3月7日のニュース