エース・水谷で王手!“逆マッチP”から6連続得点で大逆転

[ 2016年3月6日 05:30 ]

ピッチフォードを下しガッツポーズを見せる水谷(AP)

卓球世界選手権 団体戦第7日

(3月5日 マレーシア・クアラルンプール マラワティ体育館)
 男女の準決勝が行われ、4大会連続銅メダルの日本男子はイングランドに3―1で勝ち、決勝に進んだ。女子とそろってのアベック決勝は1971年名古屋大会以来45年ぶり。男子が決勝に進むのは77年バーミンガム大会以来39年ぶり。水谷隼(26=ビーコン・ラボ)が2勝を挙げてエースの働き。4番手の試合は第4ゲームを6―10でマッチポイントを握られてから6連続得点で大逆転。5ゲーム目も奪ってチームの勝利を決めた。6日は男女とも中国と対戦する。

 はね返されてきた準決勝の壁をようやく突破した。ここ4大会連続で銅メダルだった男子が39年ぶりの決勝進出。コートで全員が抱き合って喜びを分かち合った。

 「長く低迷していた。僕たちが変えたい気持ちは強かった」

 エース水谷の口調は熱を帯びていた。大島が落として迎えた4番手の試合は気力を振り絞った戦いだった。世界ランキング64位ピッチフォードの捨て身の攻撃を受け、第4ゲームは6―10でマッチポイントを握られた。だが、諦めなかった。

 「まだやれると思った。ここで終わらせるわけにはいかない」。驚異的な粘りで11―10。最後は後陣に下げられながらも相手の強打を7度防いでミスを誘った。会場は33年ぶり4強に進んだ卓球発祥のイングランドを応援する声が大きかったが、あと1点で敗戦のピンチを6連続得点を奪ってひっくり返した。

 77年バーミンガム大会以来の決勝進出は、長いジュニア強化策の成果でもある。01年に小学生のナショナルチームをつくり、選手、親、指導者を集めての合宿を定期的に行った。日本卓球連盟の前原正浩専務理事は「技術、フィジカル、栄養、メンタルの4本柱」と指導の要点を説明した。

 若年層の強化に取り組んだのは、その当時「81年以降、小学生の全国大会優勝者で五輪に出たのは1人だけ」という育成面の課題があったから。小学生ナショナルチームの1期生が水谷。08年大会から続く世界選手権団体戦の4つの銅メダルには全てメンバー入りしていた。そして、今回。エースとして決勝進出へチームを引っ張った。

 残る仕事はあと一つ。水谷は力強く語った。「舞台は整った。決勝では世界で勝ち続けてきた中国に、僕たちが歴史を変えられるように頑張る」。69年ミュンヘン大会以来47年ぶり金メダルをかけ、最強の中国に挑む。

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