O.J.シンプソン 旧宅で凶器のナイフ発見か ロス市警が鑑定へ

[ 2016年3月5日 12:05 ]

 米ロサンゼルス市警は4日、1990年代に元妻とその知人男性を殺害した罪に問われ、その後に無罪評決を受けたプロフットボール(NFL)の元黒人スター選手、O.J.シンプソン氏(68)の事件について、同氏の旧宅の敷地内にあったとされるナイフが見つかり、事件との関連を調べていると発表した。

 この刑事裁判は人種問題なども絡み「世紀の裁判」として全米のみならず全世界が注視した。同事件の凶器はこれまで見つかっていないため、ナイフのDNA鑑定結果に注目が集まっている。
 
 ロイター通信によると、ナイフはシンプソン氏の旧宅の解体作業が行われていた98年に作業員が見つけたとされ、元警官を経由して最近になって市警の手に渡ったとのこと。市警はナイフが事件とは無関係の可能性もあるとし、慎重に鑑定を進めているという。

 ロサンゼルス地裁の陪審は95年にシンプソン氏へ無罪評決を出した。だが、遺族が起こした民事裁判では逆に殺害の責任があると認定され、シンプソン氏に3350万ドル(現在のレートで約38億円)の賠償支払いが命じられた経緯がある。

 RBとして活躍したシンプソン氏は南カリフォルニア大時代に全米大学最優秀選手に与えられるハイズマン賞を受賞。69年のドラフトでビルズから全体1位で指名され、73年にはNFL史上初めて2000ヤードを越える2003ヤードを獲得した。プロ11年間の通算では1万1236ヤードを記録。オールスター戦のプロボウルには6回選出され、85年にはNFLの殿堂入りも果たした。

 引退後は俳優やコメンテーターとして人気を博したが、前述の裁判以降、表舞台から姿を消した。この裁判で多額の借金を抱えたシンプソン氏は、大学時代の思い出の品であるハイズマン賞のトロフィーを売却するまでに困窮。2007年には複数の男と拳銃でラスベガスのホテルに押し入り、スポーツ記念品を盗んだとして逮捕された。その被害者の中にはシンプソン氏からハイズマントロフィーを購入した人物も含まれていたという。

 この一件でシンプソン氏には33年の懲役刑が言い渡され、現在はネバダ州の刑務所に服役中。07年から9年間で仮出所の資格が与えられるというが、今回、明らかになったナイフの鑑定結果次第で、それも難しくなる可能性がある。

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2016年3月5日のニュース