佳純 対策バッチリ北朝鮮撃破!開幕3連勝で決勝T進出

[ 2016年3月1日 05:30 ]

女子1次リーグ 北朝鮮戦に勝利し、伊藤美誠(左)と喜ぶ福原愛。中央は石川佳純

卓球世界選手権団体戦第2日

(2月29日 マレーシア・クアラルンプール マラワティ体育館)
 日本女子は1次リーグB組の難敵・北朝鮮に3―0で完勝した。1番手の石川佳純(23=全農)が過去1勝3敗と苦手にしているカット型のリ・ミョンスン(24)をねじ伏せて勢いを付けた。情報量が少ない北朝鮮の選手が使う特殊なラバーを入手しチームとして対策を練った成果が表れ、開幕3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。C組の男子はシンガポール、ポーランドに連勝しこちらも3連勝。団体戦はシングルス5試合による3戦先勝方式で、1次リーグの上位3位までが決勝トーナメントに進出する。

 正体さえつかめれば、こちらのものだ。1番手の石川は1ゲーム目を6―11で失ったが、心には余裕があった。「久しぶりの対戦だし、(セルロイドからプラスチックに)ボールが替わってからは初めての対戦。最初は変化が分からなかった。2ゲーム目からは攻めることを意識した」。回転の癖を把握した結果、11―5、11―4、11―5と寄せ付けなかった。

 北朝鮮のリ・ミョンスンとは過去1勝3敗。データが物語るように、カット型の世界37位を苦手としていた。だが、最後に対戦した14年3月から2年がたち、これまでとは違う自信があった。

 隠れた強豪は日頃から男子と練習している。強打に強いとにらんで「ゆっくりのボールで変化をつけた」と、じっくり攻めて逆にミスを誘った。時折来る強打は全てはね返して得点につなげた。「それが大きかった。怖くて強く打てなくなったと思う」。世界5位にふさわしい勝ちっぷりで日の丸に勢いをつけた。

 国際舞台への出場機会が少なく、最近の情報が少なかった。1月に組み合わせが決まり、「第3戦(北朝鮮)が勝負」と狙いを絞った村上恭和監督は事前に北朝鮮選手が使うラバーの情報を入手。「普通のカット型は粒高か粒がないものだが、その中間のもの」。同じタイプの物で練習させ、回転に慣れさせた。3番手の伊藤も0勝1敗だったカット型のキム・ソンイに勝利。珍しいタイプのラバー対策が実った。

 2連勝同士の直接対決。1次リーグ最大の難敵とも目された相手を突破しB組1位通過が見えてきた。今大会のメダルはもちろん、先の戦いに目を向けても価値があると石川は感じていた。「自信になるし、間近で見られたことも大きい」。リオデジャネイロ五輪でも当たる可能性がある。丸裸にして圧倒した意味は大きい。

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