琴奨菊 完全休養わずか1日も…綱獲り意欲「出し切る」

[ 2016年3月1日 05:30 ]

記者会見する琴奨菊(左)と佐渡ケ嶽親方

 日本相撲協会は29日、春場所(今月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。初場所で自身初、日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たした大関・琴奨菊(32)は14年九州場所以来8場所ぶりに東の正位に就いた。大阪府松原市の佐渡ケ嶽部屋で会見し、綱獲りへの意気込みを新たにした。

【春場所番付表】

 無数のフラッシュを浴びる姿がすっかり板についた。テレビカメラ6台、報道陣60人を前に、琴奨菊は穏やかな表情で綱獲りへの意欲を語った。

 「先場所の優勝で、やればできると分かった。今から硬くなることもない。肩の力を抜いて、自分の力を出し切りたい」

 初場所で初めて賜杯を抱き、場所後は祐未夫人との結婚披露宴を都内、故郷・福岡県柳川市の2カ所で催した。二重の喜びで、ここ1カ月間は周囲から祝福の嵐。多忙を極め、完全に休養できたのはわずか1日だけ。それでも笑顔を輝かせる。「どこへ行っても、いろんな人に声を掛けてもらい励ましてもらった。本当に頑張ってよかったし、新たに頑張らないといけないと思った。疲れたというより気力をもらえた」。車での移動中など短い時間でも眠り、体調管理に細心の注意を払った。多くの応援をパワーに変え、土俵に上がる。

 同席した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は先代親方(元横綱・琴桜)を引き合いに出してハッパをかけた。「先代は32歳で横綱になった。これも何かの縁だと思う。菊も32歳。結婚したし、あとは綱を獲るだけだ」。本人も入門時から厳しい指導で導いてくれた先代を思い浮かべ「地位も名誉も、全て土俵に埋まっている」と、その教えを引用した。

 初場所は13日目の豊ノ島戦で初黒星がついた。そこから立て直し、14日目の関脇・栃煌山、千秋楽の大関・豪栄道に連勝して賜杯をつかんだ。11年名古屋場所は13日目からの連敗で大関獲りが持ち越しとなった経緯があるが「同じような状況で(初場所は)結果を出せた。今までやってきたことの反復だと思う」と終盤で重圧をはね返せたことが自信につながった。再び賜杯を抱くイメージはできている。 

続きを表示

2016年3月1日のニュース