リオ五輪メダル獲得へ 大きな“壁”に挑むバド奥原希望

[ 2016年2月23日 09:00 ]

試合に敗れ、会場の外で涙を流す奥原希望

 リオデジャネイロ五輪でメダル獲得が期待されるバドミントン女子シングルスの奥原希望(のぞみ、20=日本ユニシス)が今、大きな壁を乗り越えようとしている。

 昨年、年間上位8選手で争うスーパーシリーズファイナルを初制覇した日本の若きエースは、年明けの日本リーグで今別府香里(29=ヨネックス)、大堀彩(19=NTT東日本)と約1年ぶりに日本選手に敗戦を喫した。男子選手と練習を重ね、シャトルのスピードなど実戦のズレが影響したようで「調子が良すぎて(相手の動きが)見えすぎて、選択肢が多くなって迷ってしまった。全く疲れてないんです」とぼう然。大堀との試合の敗戦後は人目をはばからず号泣し「取りこぼしをするところはまだまだ力不足」と反省の言葉を並べた。

 対人競技において国内、海外で対戦成績が偏る選手も少なくない。女子ダブルスで世界1位を記録した“タカマツ”こと高橋礼華(25)、松友美佐紀組(24=ともに日本ユニシス)も4連覇を狙った14年全日本総合ではまさかの準々決勝敗退。当時、高橋は「すぐにファイナルがある。中国ペアの角度に合わせている今の状態を日本のレベルに合わせるわけにはいかなかった」と球筋が国内選手と異なる中国対策の影響を口にしており、とても印象的だった。そして、その言葉通り、直後のスーパーシリーズファイナルを日本人として初制覇して、実力を見せつけた。今では国内試合でも絶対的存在として勝利を挙げている。

 日本代表の朴柱奉(パク・ジュボン)監督は「今の奥原は日本の女子シングルスの実力ではずば抜けている」と語る。奥原は敗戦後に「どんな会場でも、どんな状況でも自分のプレーをして勝たないといけない」と話していたが、直後のアジア団体選手権では出場4試合全勝としっかり切り替え、戦う手応えを得た。「速い展開など、(練習で)やってる方向性は間違ってない。やることは変わらないし、課題を少しずつやっていくことが前に進むことになる」。絶対的な自信をつけ、“最強”の奥原希望になって、リオデジャネイロの夢舞台に立つ彼女の姿をイメージして待ってみようと思う。(後藤 実穂)

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2016年2月23日のニュース