琴奨菊 綱獲りへ“校庭開放プラン”市長が全面バックアップ

[ 2016年2月22日 05:30 ]

<琴奨菊優勝祝賀パレード>佐渡ケ嶽親方(左)とともにパレードする琴奨菊

 大相撲の初場所で日本出身として10年ぶりに優勝した大関・琴奨菊(32)の祝賀パレードが21日、所属の佐渡ケ嶽部屋がある千葉県松戸市内で行われ、沿道に約5万5000人のファンが集まった。大関は同席した本郷谷(ほんごうや)健次松戸市長にかねて懸念事項だった屋外トレーニングの場所について相談。すると、綱獲りを全面サポートしたい市長は学校の校庭などの公的施設を大関のために確保する意向を示した。

 東京ドームが埋め尽くされるのと同じ約5万5000人ものファンが集結したJR松戸駅前。パレードに先立って行われた優勝報告会で琴奨菊は「これからもう1つ上の地位を目指して頑張っていく」と春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)での綱獲りを宣言した。そして気持ち良さそうにオープンカーに乗り、沿道やビルの窓から顔をのぞかせる人々に向けて丁寧に手を振った。同じ場所で行われた08年6月の大関・琴欧洲優勝報告会が約2万5000人、10年5月の宇宙飛行士・山崎直子さんの歓迎セレモニーが約1万5000人だったことを考えれば、フィーバーぶりは破格だ。

 心強いサポートはファンからの声援だけではない。琴奨菊は昨年から定期的にタイヤなどを使って体幹を鍛える屋外トレーニングを敢行。土のグラウンドが理想であるため朝稽古後に部屋近隣の公園に出向いていたが、そこはグラウンドゴルフなどを行う地元民にとって重要な憩いの場でもある。人並み外れたパワーを持つ自分が公園を使っていいものなのか…。ずっと悩んでいた大関はこの日同席した本郷谷市長に相談。すると「学校の校庭や公園など市で確保してあげたい」と前向きな返答を得た。異例の“校庭開放計画”について市長は「午後に空いている時間があるかどうか教育委員会と相談する。市民みんなで応援したい」と大関を全面バックアップする方針を示した。

 綱を締めたあかつきには同じ場所で規模を大きくしてパレードを行う計画もある。50万人近い松戸市民とともに綱獲りに挑む春場所へ、大関は「たくさん愛を感じました」と笑顔。大きな期待は重圧でなく前に進む原動力となっている。 

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