【松岡修造の目】錦織 BIG4へあと1クリック 次はマスターズ勝利だ

[ 2016年2月16日 07:00 ]

男子シングルスで決勝進出を決めた錦織(AP)
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メンフィス・オープン決勝 錦織6―4、6―4フリッツ

(2月14日 米テネシー州メンフィス)
 ずばぬけて強い。4連覇で圭はそれを証明した。テニスはいつも100%で戦えるわけじゃない。特にトップ選手は4大大会に照準を合わせている。対照的に普通の選手は、ATP250のような大会に最も力を入れ、ランキング以上の勢いを持って戦ってくる。そんな相手に対し、省エネで力を出し切らずに勝てないと4連覇はできない。

 決勝も0―3まではフリッツが150%のプレーだった。それでもしのげる。圭は焦ってない。「どうにかやっていけば何とかなるでしょ」と思っている。圭のようなメンタルでなければ「きょうは相手が良かった」「仕方ない」で終わってもおかしくない試合だった。底上げされた実力を感じさせた。

 テニス選手にとって、勝っている場所は何があっても自分にとって験の良い場所に思える。メンフィスはコートが狭く、寒く、日本食もあまりない。そういうマイナス面も連覇していれば全てプラスに転じる。“自分はここでは負けない伝説”というものを圭は感じているはずだ。それが強いメンタルの支えにもなった。

 あとはマスターズでの勝利だ。1つ勝つことができれば、自信がついてテニスが変わる。大きな大会でも勝ち続けられる選手になる。ジョコビッチやフェデラーのような本当のトップ選手になるために、あとワンクリックだ。 (スポーツキャスター)

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2016年2月16日のニュース