錦織 4連覇に向け好発進 遅いコートで真骨頂生きた

[ 2016年2月12日 05:30 ]

リターンする錦織(AP)

男子テニスメンフィス・オープン・シングルス2回戦 錦織6―2、7―5ハリソン

(2月10日 米テネシー州メンフィス)
 第1シードの錦織圭(26=日清食品)は、初戦の2回戦で世界ランキング124位のライアン・ハリソン(23=米国)を6―2、7―5で撃破。4連覇に向けて危なげないスタートを切った。世界130位の西岡良仁(20=ヨネックス)は82位のイリヤ・マルチェンコ(28=ウクライナ)に6―1、6―3で快勝し、錦織とともに8強入り。両者とも12日の次戦を勝ち抜けば、準決勝での日本人対決が実現する。

 錦織が4連覇に向けて順調に滑り出した。昨年の大会ではフルセットで競り勝ったハリソンにストレートの完勝。IMGアカデミー時代の旧友を下して「この大会でこんなにいいスタートを切れたことはないので良かった」と頬を緩めた。

 コート表面が塗り替えられて例年よりも球足が遅くなり、真骨頂でもあるストローク力が生かされた。第1セットは第2ゲームから5ゲームを連取。ベースラインから下がらずに速いテンポで左右に打ち分け、相手を防戦一方にした。

 第2セットの第10ゲームでマッチポイントを握ってからミスが目立ち、初めてブレークを許したが、すぐに立て直して2ゲームを連取した。第1サーブの確率が57%と上がらない中でも相手を寄せつけず、「最後は硬くなったがそれ以外はブレークポイントもなかった。遅いコートでは自分のテニスができる」と納得の表情だった。

 今季初優勝と4連覇以外にも今回はモチベーションの高まる材料がある。IMGアカデミーの後輩の西岡も勝ち、日本選手2人がベスト8に残った。西岡とはオフシーズンに日本で練習し、メンフィス入りする前にもフロリダのIMGアカデミーで一緒に準備を積んできた。「刺激になるし、うれしい」と自分に続く若手の成長を喜んでいる。12日(日本時間13日)の準々決勝では世界93位のミハイル・ククシュキン(カザフスタン)と対戦。次もそろって勝ち上がれば、楽しみな日本人対決も待っている。

 ◇錦織のメンフィス・オープン

 ☆V1(13年) 世界22位の第5シードで出場。ツアー3勝目を挙げた。左膝の痛みで、16強入りした1月の全豪オープン以来の試合だったが、1回戦からF・ロペス(スペイン)との決勝までの5試合で1セットも落とさない“完全V”。世界ランクを16位まで上昇させた。

 ☆V2(14年) この年からATP500から250に変更。全豪では16強入りし、デ杯では日本を初の8強に導いた直後の出場。世界16位の第1シードとして臨み、決勝では弾丸サーブのカロビッチ(クロアチア)に粘り勝ち、1年ぶりのツアー4勝目を挙げた。

 ☆V3(15年) 初戦の2回戦から苦戦続きで3戦連続の逆転勝ちで決勝に進んだ。決勝だけはサーブの強烈な第2シードのアンダーソン(南アフリカ)にストレートで完勝。世界5位の第1シードとして自身初、大会初の3連覇を達成し、ツアー通算8勝目を挙げた。

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2016年2月12日のニュース