ブロンコス 17年ぶり王座 MVPはLBミラー スーパーボウル

[ 2016年2月8日 13:30 ]

マニング(右)と健闘をたたえ合うブロンコスのミラー(AP)

 NFLの第50回スーパーボウルが7日、カリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで行われ、ブロンコスがディフェンシブな試合を24―10(前半13―7)で制して17年ぶり3度目の王座を獲得した。

 試合は総合ディフェンスでリーグ1位を誇るブロンコスの守備陣が、今季のシーズンMVPに選ばれたパンサーズのQBキャム・ニュートン(26)を圧倒。3―0で迎えた第1Q8分26秒、LBボン・ミラー(26)がパンサーズ陣内4ヤード地点でニュートンをサックし、エンドゾーンに転がったボールをDEマリク・ジャクソン(26)が抑えてTDをもぎとった。

 勝負どころとなった第4Qでもミラーは躍動。残り4分16秒、再びニュートンのボールを左手でかき出すと、これをセーフティーのT・J・ウォード(29)がリカバーして流れを変えた。このあとRBのC・J・アンダーソン(24)が残り2ヤードを突破してエンドゾーンに飛び込み、2点コンバージョンも決まって勝負は決まった。

 2つのTDにつながるQBサックを記録したミラーがMVP。11年ドラフトではトップ指名されたニュートンに続いて2番目に名前をコールされた男が、“格上”のライバルを自分の手でなぎ倒してスポットライトを浴びる一戦となった。

 デビュー以来、順風満帆だったニュートンに比べてミラーのNFL生活は波乱万丈。13年8月には薬物規定違反で6試合の出場停止処分が科せられ、14年12月には右膝のじん帯断裂で長期離脱を余儀なくさせられた。それだけに感無量の面持ち。「ここにいる全員の勝利。このチームに自分がいることを誇りに思う」と、どん底時代を支えてくれたコーチ陣やチームメートに感謝の言葉を口にした。

 3月24日で40歳となるQBペイトン・マニング(39)は23回のパスを投げて成功は13回。インタセープトも1回喫し、獲得したのは141ヤードにすぎなかった。肩の衰えは隠せず、ボールにきちんとしたスパイラル(回転)を与えることもできなかった。しかしTDパスはなかったものの、コルツ時代の06年大会に続く自身2度目のスーパーボウル制覇。史上初めて2つの異なるチームで頂点に立った先発QBとなった。

 「大事な決断をしなくてはいけないのはわかっている。でもきょうはお酒を飲んで騒ぎたい。少し時間を与えてほしい」。レギュラーシーズンとプレーオフを併せてこれが通算293試合目。足や肋骨を痛めた今季のパス・レーティング(効果率)は自身ワーストで、もはや余力はないと見られていたが、それでもチームを勝利に導いた。ブロンコスのGMで99年大会でMVPとなったジョン・エルウェイ(55)はスーパーボウルでMVPとなった3カ月後に現役引退を表明。シーズンMVPに5回(史上最多)選出されているマニングもまた同じ道を歩むことだろう。

 戦前の予想で有利とされていたパンサーズはブロンコス守備陣の気迫あふれるパス・ラッシュを最後までかわせず完敗。QBニュートンは41回のパス試投で成功は18回(265ヤード)のみで、7度のサックを浴びてフィールドに沈んだ。今季はパスで35TD、ランでもチーム最多の10TDをマーク。パスでもランでもTDを奪えなかったのは今季18戦目で初めてで、まさに屈辱的な一戦となった。

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