道下、圧倒Vでリオに弾み「課題見つかった」推薦順位1位

[ 2016年2月8日 05:30 ]

3時間3分42秒で視覚障害女子優勝の道下美里(左)

第65回別府大分毎日マラソン

(2月7日 大分市高崎山・うみたまご前~大分市営陸上競技場)
 9月のリオデジャネイロ・パラリンピック視覚障がい代表選考会を兼ねて行われ、女子は日本記録保持者の道下美里(39=大濠公園ブラインドランナーズク)が3時間3分42秒で優勝。推薦順位1位となり、リオへ弾みをつけた。総合優勝はエチオピア出身のメラク・アベラ(21=黒崎播磨)で2時間9分27秒だった。石田和也(31=西鉄)が4位で日本人トップとなった。

 右目は全く見えず、左目の視力は0・01以下。レース中は伴走者のロープを頼りに走ってもいつも笑顔を忘れない。自らを「スマイル走法のみっちゃんと呼んで」という道下が突然、顔をゆがめた。40キロを過ぎたあたりで失速。レース前の公約だった「1位で帰ってきます」は達成したが、目標だった世界記録2時間58分23秒の更新はならず。自らが持つ2時間59分21秒の日本記録にも4分以上後れを取り「思い通りにいかずに残念です」と悔しがった。夏場にタイム短縮を狙い、ピッチ走法から歩幅を広げるストライド走法に改造したが「体力不足が後半の失速につながったかもしれない」と唇をかんだ。

 それでもリオ・パラリンピック選考レースのロンドン世界選手権(15年4月)での3位に続き、今大会では優勝。ともに日本人最高位でリオへの1番切符を手にした。「課題が見つかった。リオでは2時間55分台を目標に走りたい。そうすればメダルに手が届く」。1メートル44、36キロの小柄なブラインドランナーは初めてパラリンピックに採用される視覚障がい女子マラソンで初代女王の座を狙う。

 ▽リオ・パラリンピック視覚障がいマラソン推薦者 日本盲人マラソン協会(JBMA)は別大マラソンの結果を踏まえ、日本パラリンピック委員会(JPC)への推薦順位を決定した。男子は(1)堀越信司(2)岡村正広(3)和田伸也、女子は(1)道下美里(2)近藤寛子(3)西島美保子の6人。JPCは6月末に派遣選手数などを正式に決める。

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